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シンエイに提出する「通告書」について法律家からの解説がでています。

このブログでもご案内していますが、9月12日(土曜)に立川でシンエイエステートに対してデモを行ないます。その後、本社に向かい、元入居者を含めた入居者のみなさんと滞納違約金と退室立会費の返還を求める下記のような通告書を提出する予定です。
ビラ裏面
ワード形式でもダウンロードできますので、もし可能なら、記入済みのものを当日持参されても構いません。ここをクリックするとダウンロードがはじまります。

この通告書について、首都圏追い出し屋対策会議のメンバーで東京市民法律事務所の酒井恵介弁護士から解説を書いていただきました。酒井弁護士は9月12日当日もお越しいただける予定です。

あらかじめお断りしておきますが、通告書を出せば、必ず金額が全額返還されるかどうかは、わかりません。9月12日の行動全体が、シンエイに対しどのくらいの圧力をかけられるか、によると思われます。
この通告書については当日14時からの相談会でも説明します。

以下が解説になります。


通告書についての解説文

1 株式会社シンエイを賃貸人,株式会社シンエイステートを管理会社となっている賃貸物件についての賃貸借契約書の多くには,①「督促手数料」(一律3000円)の徴収及び②「退室立会費」の徴収についての条項が定められていると思われます。

しかし,かかる①~②の各条項には,以下のとおりの法律上の問題点があります。

2 ①「督促手数料」に関する条項については,賃借人が,「家賃・管理費・駐車場料及びその消費税」の支払いを遅延した場合に,その滞納額及び滞納期間を問わず,賃借人に対し,一律に「3000円」の「督促手数料」を徴収することを義務づけるものとされています。
  株式会社シンエイとの賃貸借契約は,消費者契約(消費者契約法2条3項)にあたります。そして,かかる「督促手数料」に関する条項は,「消費者契約に基づき支払うべき金銭」について「支払期日・・・までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し,又は違約金を定める条項」にあたるものです。この場合の「損害賠償の額を予定」又は「違約金」の上限は,「支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額」(滞納額)に対する「支払期日の翌日からその支払をする日までの期間」(滞納期間)についての年14.6%の割合によるものとなり,これを超えた部分は無効となります(消費者契約法9条2号)。したがって,かかる「督促手数料」(「督促手数料」とは別に遅延損害金を徴収している場合にはその合算額)が,滞納額に対する滞納期間における年14.6%の割合の金額を超える金額であれば,その超過部分は無効となります。
 また,実際の滞納額及び滞納期間との関係もあると思いますが(本来徴収できる金額との乖離が著しいような場合など),本来は「督促手数料」は債権者の負担であることが原則であることからも(民法485条にいう「弁済の費用」には債権取立のための費用は含まれない(東京地判昭和55年11月28日・判時1003号113頁,東京高判昭和45年6月24日・下級裁判所民事裁判例集21巻5・6号994頁)。),滞納額及び滞納期間に関わらず一律「3000円」の支払いを義務づける条項全体について,「消費者の利益を一方的に害する条項」であるとして,消費者契約法10条に基づき無効となる可能性もあります。

3 ②「退室立会費」に関する条項については,賃借人の退室時の点検及び立会いに伴う費用とされ,賃貸借契約締結時に前払いで徴収され,解約の理由を問わず返金されないものとされています。
(1) まず,かかる「退室立会費」の徴収の趣旨が明らかではありません。賃貸人側の日当等と解釈したとしても,このような費用を当然に賃借人が負担するという慣習はなく,また,数万円に上る場合には必要以上に高額なものと言えます。したがって,かかる「退室立会費」の徴収に関する条項自体,「消費者の利益を一方的に害する条項」であるとして,消費者契約法10条に基づいて無効となる可能性があります。
(2) また,仮に,「退室立会費」について敷金としての性質を有していると考えられるとしても,敷金であれば,退去時に原状回復の賃借人負担分を差し引いた金額を返還されなければなりません。この点,建物の賃貸借においては,経年劣化による自然損耗や通常の使用による通常損耗については,賃料の中に含まれており(最二小判平成17年12月16日・判時1921号63頁),原状回復費用のうち自然損耗や通常損耗については賃貸人が当然に負担しなければならず,賃借人は,故意・過失,善管注意義務違反による損耗についてのみ負担すれば足ります(国土交通省・「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」参照)。
  したがって,「退室立会費」について解約の理由を問わず返金されないとする条項については,「消費者の利益を一方的に害する条項」として消費者契約法10条により無効なると思われます(敷引き特約について,神戸地判平成17年7月14日・判時1901号87頁,賃借人に自然損耗や通常損耗による費用を負担させる特約について,大阪高判平成16年12月17日・判時1894号19頁,大阪高判平成17年1月28日・兵庫弁護士会HPなど)。
以上

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9月12日(土)のシンエイエステート弾劾デモに参加しよう!

シンエイエステート問題で新しい呼び掛けです。


9月12日(土)のシンエイエステート弾劾デモに参加しよう!
入居者同士のつながりで、安心できる住まいを求めて立ち上がろう!


○シンエイエステートの物件にお住まいのみなさんへ

 私たちは、住まいの貧困に取り組むネットワークです。このネットワークは、不安定な居住を強いられる「住まいの貧困」(ハウジングプア)に対して、住宅問題や生活支援に取り組むNPOや労働組合などに参加する諸個人からなっています。今年3月に設立し、家賃滞納を理由とした違約金の徴収や、鍵の交換、荷物の撤去といった追い出し被害の回復などに、当事者とともに関わっています。
 私たちは、シンエイエステートの入居者からの相談をきっかけとして、現在、シンエイ問題に取り組んでおり、去る7月20日には立川市民会館で相談会を開きました。ビラなどの呼び掛けにより、相談会には20名以上の参加者が集まり、法律家を交えたみなさんでシンエイに対する怒りや不満、不安などを話し合いました。具体的には、
・返還されない退室立会費(数万円)を入居時に支払わされた。
・滞納違約金(3500円)を複数回支払った。
・家賃滞納時に鍵を交換されそうになった。
・店頭で社員に執拗で高圧的な家賃取り立ての恫喝を受けた。
・保証人をつけられない代わりに鍵交換や荷物撤去をされても異議申し立てをしないという念書を書かされた。

という事例などがありました。これらはすべてあってはならない不当な営業(消費者契約法違反など)であり、泣き寝入りする必要はなく、被害回復が可能であると私たちは考えています。

○違法な条項の削除を求める要求書を送付!

 この相談会を受けて、私たちは賃貸契約書の違法あるいは不当条項の削除・改訂などを求め、団体交渉を持つよう求める要求書を8月4日付で提出しました(HPで公開しています)。しかし、あろうことか、シンエイ及びシンエイエステートは8月12日の期限までになんら回答せず、いまにいたるまで無視を決め込んでいます。
 彼らは保証人のいない方、休職中・失業中の方、生活保護を受給している方でも容易に部屋を借りることができると宣伝することで貧困層に食い入る一方、不当な収益を上げる違法な営業を継続的に行い、追及の声にもなんら改善することなく開き直っており、決して許すわけにはいきません。相手がそういったなめきった態度に出るのであれば、相手が回答し改善せざるを得ない状況に追い込まねばならないのです。

○9月12日のシンエイ弾劾デモに参加しよう!

 そのために、9月12日(土)に立川でシンエイを直撃し弾劾するデモを行ないます。まず、デモ前には法律家を交えて相談会を開き、デモ後にはビラ裏面の滞納違約金と退室立会費の返還を求める通告書を入居者のみなさんとともに提出するため、再度本社に向かう予定です。
 シンエイの自社ビルは大きいですが、入居者の怒りの声のうねりをしっかりと叩きつけ、社長である中平善久に対して、徹底的に弾劾し、謝罪を求めましょう。圧倒的に数に上回る借家人の力が集まれば、社会的な注目も集めることができ、相手だっておいそれとふざけたまねはできません。
 住まいはすべての人にとって基本的な権利です。一人でも安心できる住まいへの権利が悪徳業者によって侵されるのであれば、みなさんでしっかりと抗議の声を上げていきましょう。
 一人でも多くのみなさんのご参加をぜひお待ちしております。

日時:2009年9月12日(土)
相談会:14時00分~
デモ出発:15:30~(予定)

場所:立川市民会館(アミューたちかわ)5階 第1会議室

(立川駅下車南口 徒歩13分)
※場所など不明な場合は事前にご連絡ください。参加費無料。
立川市民会館

住まいの貧困に取り組むネットワーク
URL:http://housingpoor.blog53.fc2.com/
E-mail:sumainohinkon@gmail.com

9.12立川デモ呼びかけ



ビラ裏面です。9月12日当日にシンエイに提出する通告書を印刷しています。
内容証明の形式になっています。
ビラ裏面
ワード形式でもダウンロードできますので、もし可能なら、記入済みのものを当日持参されても構いません。ここをクリックするとダウンロードがはじまります。
この通告書についての法律家らの解説がでています。

週刊東洋経済(09年8月10日発売号)に追い出し屋問題の記事が掲載されています。

週刊東洋経済(09年8月10日発売号)にNWで取材協力した追い出し屋問題の記事が掲載されていて、東洋経済のWEBにも出ているようなので、こちらにもUPしておきます。
フォーシーズ以外に社名は出ていませんが、シンエイエステートとアムスエステート被害の具体例がでています。

東洋経済のWEBをご覧ください。

トラブル急増の「追い出し屋」問題、規制論議が始まるも見えない着地点

7月24日、大阪、愛知、福岡の賃貸物件の借り主が、家賃滞納を理由に強引に退去を迫られたとして、不動産会社などを相手に損害賠償を求め、一斉に提訴した。
 「執拗な取り立てで睡眠障害に陥り、うつ病に追い込まれた」。提訴した名古屋市の20代女性は語る。頼れる親族もおらず、母子家庭で4歳児を育てるこの女性は、入居の際に賃貸仲介会社から家賃保証会社「フォーシーズ」との契約を求められた。その後、子供の病気による想定外の収入減で家賃滞納に陥った。
 幼子を抱えるため仕事はアルバイトしかなく、毎月ごとの家賃支払いで精いっぱい。結局、滞納後は一月遅れの支払いを余儀なくされ、そのたび滞納時のペナルティとして「更新保証委託料」1万円を支払い続けた。

無断で鍵交換も 相談件数は急増

 ここ数年、アパートなどの賃貸借契約を結ぶ際、家賃保証会社との契約を求められるケースが増えている。家賃保証会社は、借り主から保証料を受け取り、家賃を滞納した際に連帯保証人に代わって一時的に家賃を肩代わりする。
 帝国データバンクの調査では、家賃保証会社29社の2008年の収入は合計217億円と2年前から倍増。過払い金返還請求問題にさらされた金融業者が、その債権回収能力をアピールポイントに参入しているという。
 昨年からの景気悪化で家賃を支払えなくなる借り主が増え、最近ではトラブルも急増している。家賃保証会社が無断で鍵交換をしたり、家財処分をするなどのケースが続出。同業界には監督官庁がなく、直接規制する法律もないことから、一部業者は「追い出し屋」として社会問題化している。
 国民生活センターに寄せられた相談件数も、08年度は428件と前年度比で倍以上に。弁護士や司法書士が2月に結成した「全国追い出し屋対策会議」によると、相談者は30代が中心で、無職、派遣、アルバイトなど収入が不安定な人が多いという。
 「貯金口座にあるだけ、コンビニで下ろして持ってこい」。6月、家賃を滞納した男性(30)は、追い出し屋にすごまれ、残金4万円すべてを差し出した。男性はIT機器の営業サポートの正社員だったが、過労で倒れパワハラを受け、退職に追い込まれた。家賃支払日に雇用保険の受給が間に合わず、結局、退職後4回ほど「督促手数料」を要求された。
 また、仕事が入らず無給状態が続く元派遣社員の男性(30)は、鍵交換の被害に遭う寸前だった。「長期の仕事から家に戻ると男性2人がドアノブをいじっていた。一日帰宅が遅れていたら締め出されていた」。
 都内国立大学の男子学生(25)は、アルバイト代と奨学金で家賃を賄っていたが、一時支払いが滞り、突如ドアに施錠具が取り付けられた。後日、荷物も撤去され、「カーテンすら残っておらず、コートにくるまって朝を迎えた」と言う。

規制強化の方針が大幅にトーンダウン

 行き過ぎた実力行使に対しては批判が高まり、これまでも裁判ざたとなっていた。
 前出のフォーシーズは深夜まで取り立て行為をしたとして、福岡簡裁の判決で慰謝料の支払いを命じられた。だが丸山輝社長は自社ブログで「100万円の請求に対しての5万円の判決。司法関係者が内容を確認すれば弊社は敗訴でないことは明白」と強調。これに対し同訴訟の控訴審で原告側の弁護を担当する美奈川成章弁護士は「違法な行為を認定したかどうかが問題で、しっかり認定された」と反論する。
 ただフォーシーズ側も、これまで徴収してきた「更新保証委託料」については全借り主に返還していくという。
 トラブル増加を受け、国土交通省は2月、家賃保証会社に関する通達を出した。鍵交換や家財処分、高額な遅延損害金等について、刑事、民事責任に言及し警告を発している。実際、大阪簡裁は5月、「法律無視の鍵交換や住居侵入行為は、国民の住居の平穏や居住権を侵害する違法な行為として厳しく非難されなければならない」とし、家賃保証会社に65万円の支払いを命じた。
 ところが法整備を担う国交省の審議会の動きは鈍い。7月31日の中間取りまとめでは家賃保証会社への規制案として、許可制や登録制が検討事項とされたが、当初の「素案」になかった業界団体の自主規制案が急浮上するなど、規制強化の方針は大幅にトーンダウン。同様に賃貸契約の際に情報提供したり、家賃請求の際のガイドラインを策定する案が前面に押し出された。
 実際、追い出し屋問題を議論した5月の審議会では、委員の貸し手側の論理に埋め尽くされた。
 「鍵交換と財産処分以外は被害ではない。催促や請求が来るのは当たり前」(全国宅地建物取引業協会連合会の川島健太郎常務理事)、「登録制や許可制より重要なのは、家賃滞納時、大家に損害を与えずに済む法制度の策定」(政策大学院大学の福井秀夫教授)。
 全国追い出し屋対策会議代表幹事の増田尚弁護士は「明らかに人選が業界に寄りすぎ。借り主代表の委員も参加させるべき」と指摘する。
 厚生労働省は失業者救済の住宅手当制度を10月に創設することを決めたが、住宅政策に詳しい大阪市立大学の小玉徹教授は「生活保護以外の住宅手当のない先進国は日本ぐらい。追い出し屋追放のためにもより支給要件を広げるべき」と語る。
 追い出し屋問題が図らずも明らかにしたのは、この国の住宅政策をめぐる議論の貧困といえる。
(風間直樹 =週刊東洋経済)


誌面は↓になります。
週刊東洋経済(09年8月10日発売号)

更新料の不当な請求につきバジリカに損害賠償命令!

先日当NWで行っている住まいカフェに参加された方からの報告です。

豊島区内の物件に居住していて、家主が変わったことによって平成19年7月1日から管理会社がバジリカに変更され、更新時に更新料や火災保険料などの請求をされた男性が、請求方法の違法性について民事で争っていた事件で、東京簡裁は平成21年8月5日にバジリカに5万円の慰謝料の支払いを命じました。

バジリカはスマイルサービス(現ハウスポート)とほぼ同一の会社で西新宿の不動産管理会社です。

裁判では、バジリカの社員が証人として尋問され、判決では、バジリカ社員が無断で原告の留守宅に侵入したことを認め、他に留守宅に更新料の請求書を差し入れたり張り紙をし、電報を打ち、何回となく留守番電話で連絡を促したことを認め、さらには誤った更新契約書を作成したことなどを認めました。

その上で、「被告(バジリカ)は、休日に訪問して原告に接触できるように努め、原告が請求に応じないならば訴外会社と相談して法的手段を検討するなどすべきところ、原告及びその保証人に対して、管理会社としての通常行うべき更新料の請求方法の範囲を逸脱した強引かつ内容杜撰な請求方法による請求を執拗に繰り返したことが認められ、あまつさえ、このような状況下にあれば生存の安否を確認する必要などほとんど無いにも関わらず、専ら原告に圧力をかけることを目的として、無断で2回にわたり原告の留守宅に侵入したことが推認出来る」として、被告の不法行為に対して、10万円の慰謝料を認めました。
しかし、一方で、判決では原告に対し、更新料の約定を争うなら供託するべきだったとか、火災保険に未加入の期間が生じたことを原告の落ち度として、慰謝料の減額を認め、半額の5万円となっています。

更新料を供託しなかったことやそもそも義務でもない火災保険で未加入期間が生じたことを落ち度とするのは、全く理解できず不当判決と言えます。更新料支払義務についても京都では無効の判決がでていますし、また、火災保険が未加入であることで不利益を被り、補償のリスクを負っているのは賃借人である原告であり、それらのことをして、原告の落ち度であるとすることはできないと考えています。
原告は控訴を現在検討しているそうです。

ともあれ、バジリカの営業が管理会社として異常で内容杜撰であることを判決で認めさせたことは重大な意義を持っています。
みなさんのご注目をお願い致します。

原告は弁護士をつけず本人訴訟で闘っておられ、ご本人に承諾をいただいたので、判決文も公開いたします。
こちらから開きますのでどうぞご覧ください

シンエイとシンエイエステートに要求書を送付!!

住まいの貧困に取り組むネットワークは、この間シンエイエステート問題に取り組んでいるわけですが、8月4日付でシンエイとシンエイエステートに対し、契約内容および管理行為の改善や謝罪などを求めて、団体交渉の場を持つように要求書を送付しました。

相手が受け取ったようなので、ブログでも公開します。
回答期限を2009年8月12日としています。

回答が来なければ、もっと他の強力な手段を考え、実行に移します。

みなさんのご注目とご支援をぜひともよろしくお願い致します。

以下が要求書となります。少し長いですが、ぜひ読んでみてください。
PDFはこちらになります。
直近の賃貸契約条項本要求書の第2の9項で指摘している念書についても公開します。(リンクをクリックしてください。)



2009年8月4日

東京都立川市錦町1-10-26
株式会社 シンエイ
代表取締役 中平 善久 殿

東京都立川市錦町1-10-26
株式会社 シンエイエステート
代表取締役 佐々木 哲也 殿


住まいの貧困に取り組むネットワーク
連絡先:東京都新宿区新小川町8-20
こもれび荘 もやい気付


要求書


第1 当団体及び本要求書について

 当団体は、住宅問題や生活困窮者の支援に取り組むNPOや労働組合、借地借家人組合などに属する当事者諸個人や法律家からなる任意の団体です。
 当団体において、貸主を㈱シンエイとし、管理会社を㈱シンエイエステートとする物件に居住している入居者から貴社の取り立て方法や契約内容について相談を受け、事実関係を確認し検討したところ、貴社の契約内容および管理行為に違法、もしくは不当行為が見られたので、ここに抗議し、謝罪および改善を求めます。つきましては、団体交渉の場を持ちたいと存じますので、2009年8月12日までに、貴社回答を書面にて当団体の連絡先まで送付いただきますようお願いいたします。
 なお、本要求書および貴社回答は公開を前提としていることをご了承ください。

第2 要求の趣旨及び理由
【賃貸契約条項について】

貴社が使用している「賃貸契約条項」を、以下のように改めることを求める。

1 第4条(家賃・管理費・駐車場料の支払い)について

第4条(家賃・管理費・駐車場料の支払い)
4.入金方法に関わらず、前月末日までに乙(借主)が甲(貸主)へ当月分の支払いを滞った場合は、請求書の配布、電話連絡等の甲の負荷業務に伴う費用として、乙は甲に督促手数料3千円を支払うものとします。


(1)要求の趣旨
 条項の削除と徴収した金銭の返還を求める。
(2)要求の理由
 本条項は、借主が家賃の支払いを遅延した際に、貸主が行う督促業務を理由として、借主に対し手数料3千円の支払いを義務付ける条項である。しかし、督促手数料という名目をとっていたとしても、支払期日を遅延した際に支払う金銭としては、滞納違約金と同様であることは疑いようがない。消費者契約法9条2号では支払期日のある金銭の違約金として上限を年率14.6%と定めており、また、滞納期間に関わらず、一律に3千円の支払いを義務付けることは、消費者の利益を一方的に害する条項であるから、消費者契約法10条に基づき、違法である。また、口座振替によらない支払いにおいてはコンビニ振込用紙を郵送にて送付しているが、その際には名目が不明な500円を上乗せして請求しており、この点についても違法である。これらは不当な利得であり、貴社はこれまでに得た不当利得について返還する義務を負っている(民法703条)。よって、即刻、元入居者を含めて、これまでに支払ったことのあるすべての居住者に対して、謝罪の上、返還するよう求める。

2 第9条(契約上の義務)について

第9条(契約上の義務)
2.乙は本物件の使用において、乙の負担にて本物件の火災保険に加入しなければならないものとします。


(1)要求の趣旨
 火災保険加入は義務付けるべきではない。
(2)要求の理由
 火災保険の加入は法的義務のない賃借人の任意であって、入居、または契約更新のための義務として実質的な入居条件としているのは不当である。また、現在貴社は日動火災海上保険株式会社のみとの保険契約を入居者に求め、入居者は他に選択しようがない。これは、独占禁止法19条で規制する不公正な取引方法(抱き合わせ販売)であり、即刻、改めることを求める。つまり、入居者の自由な選択により、賃貸人が指定する指定業者以外の保険加入を任意で認めるべきである。

3 第12条(退室の申入れ)について

第12条(退室の申入れ)
3.解約日(最終家賃日)が契約期間満了日を超えてしまう場合は、賃貸借契約の更新をするか、延長更新手続きを行った上で退室手続きを行うものとします。但し、どちらの場合も、乙の負担にて火災保険の加入をしなければならないものとします。なお、延長更新は2ヶ月まで有効とし、1ヶ月につき1万2千円の延長更新料が賃料の他に必要になるものとします。


(1)要求の趣旨
 ①火災保険加入は義務付けるべきではない。
 ②1ヶ月につき1万2千円の延長更新料は趣旨が不明であり、徴収をやめるべきである。
(2)要求の理由
 ①上記2と同様。
②1ヶ月につき1万2千円の延長更新料は趣旨が不明であり、消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする消費者契約法10条により無効であるので、即刻、条項を削除するように求める。

4 第14条(契約の解約)について

第14条(契約の解約)
甲は乙が次の各項の何れかに該当する場合、催告を要せず直ちに本契約を解約することができるものとします。
(1)乙が賃料を1ヶ月分でも滞納したとき。
(2)乙が本契約の各条項に1つでも違反したとき。
(3)乙が本契約書及び、本契約に必要な書類に虚偽の記載をし、不正な方法により入居したとき。
(4)丙が連帯保証の引き受けを拒否したとき。
(5)本契約書記載の各人員に暴力団の構成員がいたとき、またはこれらの者を出入りさせたとき。


(1)要求の趣旨
 第14条はすべて削除するべきである。
(2)要求の理由
 賃貸借契約は継続的契約であり、判例においても、賃借人の債務不履行ないし義務違反(賃料不払、用法違反や保管義務違反)を理由とする解除は、その債務不履行ないし義務違反が信頼関係の破壊にあたる場合にのみ許されると解されている。
 この点につき、(1)については、1ヶ月程度の滞納では信頼関係の破壊にあたらず、(2)~(5)については、義務違反が信頼関係の破壊に直結するわけではなく、各理由を解除事由とするのは不当である。
 よって、本条項の規定する無催告解除は、催告をしなくても不合理とは認められない事情が存する場合とは到底認められないのであり、削除するよう求める。

5 第15条(退室立会費)について

第15条(退室立会費)
1.乙の本物件の入居期間に関わらず、乙の退室の際は、甲により必ず本物件の点検を行うものとします。乙は甲の行なう点検に立会うものとし、その点検及び立会いに伴う費用は、乙の負担とします。
2.点検及び立会いに伴う費用は「退室立会費」として、乙は本契約締結時に前払いで甲に支払うものします。
3.乙は本契約の解約時に、新規契約時及び更新契約時の契約書、またはそれに添付の覚書に基づいて、ルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等を甲に支払うものとし、乙から甲に預託中の敷金がある場合は、第5条3項に基づき、敷金との相殺にて支払うことができるものとします。但し、本契約締結時に乙が甲に退室立会費を支払済みの場合には、ルームクリーニング代等は発生しないものとします。
5.甲が乙より受領する退室立会費は、解約の理由を問わず、返金されないものとします。


(1)要求の趣旨
 「退室立会費」の徴収はやめるべきであり、返還を求める。
(2)要求の理由
 入居時に敷金ゼロ礼金ゼロで契約した入居者の多くは、仲介業者にて「退室立会費」なる名目で、本契約締結時に前払いで数万円を徴収されている。これは、3項でルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等に充当するものとされ、預託中の敷金がある場合には、敷金との相殺にて支払うとされていることからも、実質的には敷金の趣旨とみることができる。
 敷金であれば、退去時に原状回復の賃借人負担分を差し引いた金額を返還されなければならないにもかかわらず、5項では、退室立会費は、解約の理由を問わず、返金されないものとされている。
 さらに、賃借人の原状回復義務とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することをいうのであり(国土交通省・『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』)、次の入居者を確保するための業者によるルームクリーニング、シャワーカーテン交換、または鍵交換に伴う費用は賃貸人が負担するべきものである。
 よって、本条項のような自然損耗・通常損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる旨の特約は、消費者契約法10条に該当し、無効と考えられ、違法な「退室立会費」の徴収はやめるべきであり、全額の返還を求める。

6 第16条(原状回復及び明渡し・修繕)について

第16条(原状回復及び明渡し・修繕)
1.乙は本契約の解約にあたり、本物件を原状回復の上、甲に明渡すものとします。但し、原状回復については甲の立会いを経て、本契約の内容を遵守し、甲の指示に従って行うものとします。
2.乙は明渡しの際、解約の理由を問わず、甲に対して移転料、立退料、損害賠償、その他、本契約に基づく金銭以外の請求をできないものとします。
3.乙が解約日までに本物件の明渡しを怠ったとき、または第14条に該当するときは、甲は直ちに明渡しを執行することができるものとします。その際、甲は玄関ドアの鍵交換を行ない、本物件内に残置した家財、物品等は甲が任意に処分、または任意の場所に保管できるものとし、その費用は乙の負担とします。
4.本物件の畳・襖・クロス・床・壁・柱・天井・窓・戸・硝子・台所設備・浴室・トイレ・給湯器等、またはそれに付属する器具の汚損(タバコのヤニ汚れを含む)、または破損の修理費は乙の負担とし、退室時に生じる畳・襖・クロスの張り替えについては自然損耗の場合、甲乙折半とします。但し、本契約締結時に賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書の説明を受け、受領した場合についてはこの限りではないものとします。


(1)要求の趣旨
 第16条の2項、3項を削除、4項を改訂すべきである。
(2)要求の理由
 まず、2項は、解約の理由を問わず、賃貸人に対して賃借人が本契約に基づく金銭以外の請求を不可能とする条項であり、消費者契約法10条により無効であることは明白である。
 次に、3項は、解約日までに明渡しをしなかった場合、あるいは、第14条に基づく無催告解除に該当した場合、ただちに鍵交換や荷物撤去処分を可能とする内容であり、法治国家では認められていない自力救済を認める条項である。これは、民法90条(公序良俗違反)あるいは消費者契約法10条により無効であり、実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。
 4項は、原状回復についての特約とみられるが、①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること、②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること、③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること、といった、国土交通省による『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』が示す要件を満たしておらず、特約は成立せず無効となる。よって、該当条項は本契約締結時に賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書の説明を受け、受領した場合に限らず、無効である。
 また、入居者の入れ替わりによる物件管理上の必要性から、本来は賃貸人が負担すべき鍵交換費用を、賃借人が入居時と退去時に求められている事例もあり、原状回復及び修繕についての貴社の営業方針は悪質性が高い。不当な請求を行なったことに対して入居者に謝罪し、不当な利得を返還するよう求める。
 さらに、経年変化やタバコのヤニ汚れを含む通常使用による自然損耗は賃貸人が負担する旨を明確に記載するよう改訂を求める。

7 第18条(その他)について

第18条(その他)
3.本物件敷地内のバイク・自転車の駐輪は登録制とします。登録により発行する駐輪登録証を指定の箇所に貼っていない場合、甲は撤去・処分の通知なく、それを行なうことができるものとします。


(1)要求の趣旨
 通知のない撤去・処分を認める条項は削除するべきである。
(2)要求の理由
 入居者は、入居物件敷地内にバイク・自転車を駐輪する際、現在1台につき1050円の登録料を支払い、駐輪登録証なるシールを貼付している。しかし、入居物件の駐輪場は入居者の共有部であり、その場所に駐輪するための登録料を徴収することは趣旨や対価性が不明である。入居者以外の駐輪を防止するためには単に入居者にシールを配布すれば足りるのであり、よって、物件敷地内にバイク・自転車を駐輪する際の登録料を徴収する必要はないのだから、即刻徴収をやめるよう求める。
 さらに、撤去・処分の通知なく撤去・処分を行なうことは法治国家では認められていない自力救済となり違法である。よって、該当条項の削除を求める。
 また、撤去・処分されたことによりバイク・自転車を失った入居者からの申告には、真摯に対応し、損害を賠償するよう求める。

8 第19条(特約)について

第19条(特約)
乙に賃料の未払いが生じ、甲及び株式会社シンエイエステートの請求にも関わらず、乙が指定の期日までに支払いを怠る、または約束不履行の際、甲は「強制退室」の処置を行うものとします。


(1)要求の趣旨
 自力救済を認容する不当条項につき削除すべきである。
(2)要求の理由
 契約条項内では、「強制退室」の具体的な内容が明確ではないが、いずれにしても、法的手続きに則らない自力救済は法治国家では基本的に認められておらず、違法である。実際に、家賃滞納をきっかけとして自宅まで㈱シンエイの従業員に来られ、鍵を開けられた居住者による報告も複数事例が挙がっている。入居者の居宅は、居住スペースとして排他的な独占権が認められるもので、たとえ管理者であっても自由に出入りできるものではないことは論をまたず、上記6でも述べたように住居侵入罪(刑法130条)に該当する犯罪行為である。このような行為が「強制退室」の処置に至る経緯として行なわれているのであれば、決して許されるものではなく、厳しく抗議する。貴社に対し被害者に謝罪を示し、真摯に反省するよう求め、該当条項の削除を求める。

【念書について】
9 念書について


念書

賃貸借契約を締結するにあたり、契約条項第11条の連帯保証人を選任せずに契約入居することの許可をお願い致します。
上記物件を賃借するにあたり、契約条項を遵守し、特に賃料の滞納しないこと、物件・付属設備等を故意に破損しないことを約束致します。
万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません。
なお、今回賃貸借契約を締結するにあたり、敷金(家賃2ヵ月分)を預け入れ致します。


(1)要求の趣旨
 念書は撤廃すべきである。
(2)要求の理由
 貴社は保証人が不要であるとHPなどで謳っておきながら、保証人をつけることができない入居者に対しては、実際には上記「念書」を書かせている。
 保証人をつけることができない入居者を募っておきながら、特別な念書を交わすことを入居条件とするのは、不当というほかない。まず、「契約条項を遵守し、特に賃料の滞納しないこと、物件・付属設備等を故意に破損しないことを約束」するという内容は、保証人をつけることができる如何に関わらない賃借人の義務であり、保証人をつけることができない賃借人に特別に成約を求めるのは、明白な差別である。
 また、「万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません」という条文は、上記6で述べたように、法治国家では認められていない自力救済を認める条項である。これは、民法90条(公序良俗違反)あるいは消費者契約法10条により無効であり、実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。
 さらに、保証人をつけることができないことをもって、特別に家賃2ヵ月分の敷金を徴収することに合理的な根拠はない。
 よって、該当念書については撤廃するよう強く求める。

【威迫行為について】
10 脅迫・威迫行為について


(1)要求の趣旨
 家賃滞納者への取り立てのための恫喝や威圧といった威迫行為をやめ、また、謝罪するよう求める。
(2)要求の理由
 ある入居者から次のような申告を受けている。
 退去手続きのために店頭に行ったが、家賃滞納を理由にして「退去するよりも、金を払うのが先だろ」と契約解除を認められなかった。さらには、家賃の支払いを約束するまで40分以上にわたって恫喝を受け続け、その足でコンビニに行き、支払うことを約束するまで解放されなかった。
 これは宅建業法47条の2で禁止されている威迫行為に当たることは明白である。
 さらに、こういった強引な取り立ては脅迫罪(刑法222条)に該当するとも考えられ、賃借人の尊厳を貶め、侮辱するものであり、強く抗議し、謝罪を要求する。

以上





テーマ : 住宅・不動産
ジャンル : ライフ

東京・池袋の炊き出し継続のために皆様のバックアップをお願いします!

住まいの貧困に取り組むネットワークに参加メンバーがいるTENOHASIさんから、呼び掛けが来ていますので、告知します。
こちらは豊島区への申入れですが、シンエイと同じ8月12日が回答期限となっているようです。
注目しましょう。

***********************以下、転載・転送歓迎

東京・池袋の炊き出し継続のために皆様のバックアップをお願いします!

 私たち特定非営利活動法人TENOHASIは、東京都豊島区におけるホームレス状態の方を含む生活困窮者への支援活動および調査広報活動を行っている法人です。

 私たちの最も重要な活動が、月2回(第2/第4土曜日)、豊島区立南池袋公園で行ってきた炊き出しです。毎回、豊島区役所公園緑地課から公園の使用許可を受けて、今まで大きなトラブルもなく続けてきたものです。
 炊き出しに並ばれる方の数は、昨年からの雇用危機を受けて増加の一途(毎回300人から400人超)をたどっており、その重要性は増すばかりです。

 しかし、本年6月17日、豊島区役所公園緑地課との話し合いの場において、私たちは公園緑地課長より「南池袋公園は東京電力の変電所並びに区の駐輪場建設のため本年9月14日をもって閉鎖し5年間の工事に入るために炊き出しができなくなる」こと、また「地元商店会などからの苦情が多いために、今後は他の公園で炊き出しのための使用許可申請を出しても認めない」旨の通告を受けました。

 そこで、私たちは炊き出し継続を目指して、7月28日、豊島区役所公園緑地課長をとおし豊島区長あてに「9月14日以降も、池袋駅周辺の公園または学校跡地など適切な場所で炊き出しが継続できるよう取りはからってください」「地元住民の苦情・反対があれば、私たちに伝え、必要に応じて話し合いの場を設けてください」と文書にて申し入れしました。

 小中学生を含むスタッフも新聞に窮状を訴えたり、豊島区長あてにFAXを送って
 “炊き出し継続へ向けての代替地提供”を訴えていますが、
 このままでは問題が区長まで上がる前に「提供できず」と処理されてしまう懸念は拭い去れません。

 事は緊急を要します。

 回答締切の8月12日までに、区長のもとに確実にこの問題を届け、火急に善処せざるを得ない方向にもっていくため、皆様のお力をお貸しください。

具体的には
●メールやファクスで豊島区長あてに“池袋での炊き出し継続のための代替地提供”を訴えてください。
●マスコミ・報道関係の方は、ぜひ この問題を取り上げ、広く衆目を集めてください。


メールは、豊島区ホームページのフォームで。

https://www.city.toshima.lg.jp/cgi-bin/contact.cgi?mail=voice

FAXは 03-3981-1375 豊島区役所広報課へ

どなたがメールやファックスを送ってくださったか把握しておきたいので、
ご協力くださった方は

メール tenohasi@yahoo.co.jp
FAX  03-5934-1146(事務局 清野)

まで、ご連絡ください。できたら送った文も。

自分が入っているメーリスに投稿したりするのも大歓迎です。
念のため、申し入れ書を貼り付けておきます。

どうぞ よろしくお願いいたします。

*************************
2009年7月28日

豊島区長 高野之夫様

    炊き出しについての申し入れ書


 日頃から区政へのご尽力に敬意を表します。

 私たち特定非営利活動法人TENOHASIは、誰もが安心して生活できる社会の実現に寄与することを目的として、豊島区におけるホームレス状態の方を含む生活困窮者への支援活動および調査広報活動を行っている法人です。

 ホームレスの自立の支援に関する臨時措置法第12条では「国及び地方公共団体は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するに当たっては、ホームレスの自立の支援等について民間団体が果たしている役割の重要性に留意し、これらの団体との緊密な連携の確保に努めるとともに、その能力の積極的な活用を図るものとする。」と定めています。私たちも、ここでいう「民間団体」として、行政と連携しながらホームレス状態の方々の自立の支援を行ってきました。

 私たちの最も重要な活動が、月2回(第2/第4土曜日)、豊島区立南池袋公園で行ってきた炊き出しです。この炊き出しは前身団体の頃から10年以上続いているもので、毎回、豊島区役所公園緑地課から公園の使用許可を受けて、今まで大きなトラブルもなく続けてきたものです。

 私たちの炊き出しは、そこでただ単に食事を提供するだけでなく、衣類等の生活必需品の配布・医師看護師らによる医療相談・福祉の専門知識のある担当者による生活相談・法律家による法律相談・臨床心理士を中心としたメンタルヘルス向上のための茶話会・鍼灸指圧マッサージ師による鍼灸相談と指圧マッサージ施術など様々な支援活動を行っています。ですから、炊き出しとはいいつつその実態は、ホームレス状態の方の身体的・精神的健康を維持し、さらにホームレス状態から脱するための情報提供と具体的な援助を行う、いわば総合支援の場となっています。ここで出会い、私たちの支援で医療や福祉・就労につながってホームレス状態から脱した方も多数いらっしゃいます。また、炊き出しに並ばれる方の数は、昨年からの雇用危機を受けて増加の一途(毎回300人から 400人超)をたどっており、その重要性は増すばかりです。

 しかし、本年6月17日、豊島区役所公園緑地課との話し合いの場において、私たちは公園緑地課長より「南池袋公園は東京電力の変電所並びに区の駐輪場建設のため本年9月14日をもって閉鎖し5年間の工事に入るために炊き出しができなくなる」こと、また「地元商店会などからの苦情が多いために、今後は他の公園で炊き出しのための使用許可申請を出しても認めない」旨の通告を受けました。

 南池袋公園の工事は仕方がないことですが、そのことと炊き出しへの苦情は別問題であるはずです。毎回、公園の使用許可を取り平穏に行ってきたTENOHASIの炊き出しが、この機会に全面的に禁止されるということは承服しかねます。

 公園緑地課長のおっしゃるとおり、炊き出しで路上生活者が集まることを不快に思われたり迷惑を被っている方がいることは確かでしょう。公園緑地課としては区民からの苦情に答えることが責務であることは理解できます。しかし、炊き出しの社会的意義も決して軽いものではないと思います。地元の方でも、私たちの活動を理解し応援してくださる方もいらっしゃいます。二者一択ではなくて、両方が成り立つような方策を考えていただけないでしょうか。今後、苦情が来た場合には、私たちに伝えていただければできる限りの対応をし、迷惑のないように、また地元のご理解をいただけるように努めて参ります。私たちと地元の方々が、対立ではなく、ともに歩んでいける道を探していきたいと思います。

 しかし、公園緑地課から示されたスケジュールでは、TENOHASIの炊き出しは9月12日が最後となってしまいます。時間がありません。緊急に、以下のことをお願い致します。


1,9月14日以降も、池袋駅周辺の公園または学校跡地など適切な場所で炊き出しが継続できるよう取りはからってください。

2,地元住民の苦情・反対があれば、私たちに伝え、必要に応じて話し合いの場を設けてください。

 上記2点について、ぜひとも区長のご英断をお願いします。

 お忙しい中誠に申し訳ありませんが、申し入れ2週間後の8月12日までに、ご返答いただくようお願い申し上げます。

 また別紙にて、炊き出しの重要性と支援活動の内容を具体的にご説明します。お読みいただければ幸いです。


 特定非営利活動法人TENOHASI

代表理事       森川すいめい
             久里浜アルコール症センター(精神科)医師
             自治医科大学公衆衛生学部門(研究生)

副代表理事・事務局長 清野賢司
                東京都杉並区立済美養護学校教諭

理事         坂内孝雄
プロフィール

housingpoor

Author:housingpoor
住まいの貧困に取り組む個人からなるネットワークです。
賃貸トラブルや生活相談にも応じます。
月に1度程度、都内で会議を開いています。
参加したいというご要望や、賃貸トラブルについてのご相談は
sumainohinkon@gmail.com
までよろしくお願いいたします。

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