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「住居確保給付金」の支給期間延長に伴う「求職要件」、 「資産要件」の新たな措置に抗議し、その撤回等を求める要請書

 本日12月22日、下記の要請書を厚生労働省に提出いたしました。
  「住居確保給付金」の支給期間延長は歓迎ですが、新たな要件の追加に抗議し、撤回を求めています。
 制度設計の再考を求めていくので、ご注目ください。


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厚生労働大臣 田村憲久 殿
                         2020年12月22日
国民の住まいを守る全国連絡会
代表幹事 坂庭国晴
住まいの貧困に取り組むネットワーク
世話人 稲葉剛

  「住居確保給付金」の支給期間延長に伴う「求職要件」、
  「資産要件」の新たな措置に抗議し、その撤回等を求める要請書
 
  貴職は、「令和2年度中に新たに住居確保給付金を申請した者の支給期間を、最長9か月から最長12か月へ延長することを可能とする」決定を12月8日に行いました。これはこの間、私たちを含め、各界からの強い要求に応えたもので、大いに歓迎し評価するものです。

 しかしながら、今回の支給期間延長に伴い、これまでの支給要件の変更を行い、2021年1月1日から施行するという重大な問題があります。

 それは、「常用求職要件は、当分の間不要としておりましたが、現下の状況が今後も一定期間継続することを前提に、受給者の生活再建を早期に図る必要があることから、今後、受給者の状態像に応じ、令和3年1月から求職活動を実施していただくこと、資産要件(金融資産の合計額が50万円以下であること)を満たすことを受給の要件とします」(12月8日付厚生労働省社会・援護局から各都道府県等への事務連絡)というものです。

 これは「当分の間不要としてきた」要件を新たに課すもので、到底容認できるものではなく、1月1日からの実施に強く抗議し、以下のようにその撤回等を求めるものです。

    記

1.コロナ禍が更に拡大し、生活困窮が激化している下で「受給者の生活再建を早期に図る」ことに逆行する「求職要件」、「資産要件」の実施を撤回し、適用は行わないこと。

2.今回の支給期間の延長と「求職要件」等の措置により、住居確保給付金に関する受付、相談窓口は、すでに大きな混乱と困難を抱えるに至っている。この点でも前記1の対応が切実に求められている。この給付金実務を行う部署の体制と待遇の大幅改善を併せて求める。

3.「住居確保給付金」の支給期間は、「現下の状況が今後も一定期間継続する」コロナ禍が終息するまで延長することを要求する。

4.すでに各方面から意見、要望が出されているように、「住居確保給付金」も土台とした全国的な 「家賃補助制度」の検討と実現を重ねて要請する。

以上







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住居確保給付金の支給期間の延長について(談話)改定版~新たな要件の追加は撤回を!

住居確保給付金の支給期間の延長について(談話)改定版
 
 2020年12月9日
 
   国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)
       代表幹事 坂庭国晴
   住まいの貧困に取り組むネットワーク
       世話人 稲葉 剛

 政府(厚生労働省)は、12月8日「住居確保給付金」の最長9か月の支給期間を3か月延長する方針を決定し、以下の内容を発表しました。

 住居確保給付金については、最長9か月間としていた支給期間について、令和2年度中に新規申請した方に限り、最長12か月間に延長できる(※)こととします。

(※)10~12か月目の支給にあたっては、現行の要件に加え、 
・資産要件について、世帯の預貯金の合計額が、市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12の3月分を超えないこと(但し50万円を超えない額)とします。
・求職活動等要件については、ハローワークへの求職申し込み等を必須とします。


 この支給期間の延長は下記のように私たちの強い要求が実現したものであり、積極的に歓迎しますが、同時に各種の問題点があります。

 社会的に注目されているこの「給付金」は、コロナ禍での住居確保のための家賃の補助を行うもので、今年4月から9月までの半年間の支給は10万件を超えました。その後もコロナ感染拡大と長期化の中で、申請、支給とも増大している現状にあります。

 支給期間は「最長9か月」となっていて、4月からの受給者は12月以降「給付金」を打ち切られる制度でした。12月を前に私たちは9月段階から「支給期間の3か月延長」を要求し、取り組んできました。11月に入り、「住居確保給付金の支給期間9か月の延長を!」のインターネット署名に取り組み、短期間で2,500名の賛同を得て。現在3,000名近くとなっています。
 11月19日には支給期間延長をはじめとした「制度の抜本改善と拡充を求める緊急要請書」を厚生労働大臣に提出(下記参照)、同日院内集会を開催しました。

 こうした私たちの活動と各方面からの要請に応え、「支給期間の延長」の決定となりました。しかし、上記のように「現行の要件に加え」資産要件、求職活動要件を課すことは問題です。
 現行の要件でも要請書にあるように、限定する要件がいくつもあります。この「現行の要件に加え」と「令和2年度中に新規申請した方に限り」の撤回を求めます。

 私たちは引き続き、この制度の「支給要件」、「収入要件」、「支給額」の改善と拡充の実現、これらを土台とした全国的な「家賃補助制度の実現」に向け、広範な人々と協力、共同した活動を進めていきます。     以上

*参考:11月19日付け要請書

住居確保給付金の支給期間9か月の延長をはじめとした同制度の抜本改善と拡充を求める緊急要請書
 
 新型コロナウイルス感染拡大がさらに続く中、厚生労働行政の常日頃のご努力に敬意を表します。貴職が実施されている「住居確保給付金」事業は、本年4月以降、申請、決定件数とも毎月激増し、9月までに申請11万6千、給付10万4千となり、同事業の必要性が増々高まっています。
 この事業制度で当面する最大の問題は「支給期間が最大9か月」であるため、本年12月以降支給を打ち切られる人々が生まれることです。
 私たちは、過日から「支給期間9か月の延長を!」の賛同電子署名の取り組みを行い、今日(11月18日現在)までに2,500人の賛同を得、多くの切実な声が寄せられています。こうした賛同署名と賛同者の声を真摯に受け止め、支給期間の延長をはじめとした下記の改善、拡充を行うことを要請します。なお、私たちは9月25日にも同制度についての緊急要請を行っています。
           記

1.現行の「支給期間」の「原則3か月」、「最長9か月まで」を見直し、「少なくとも1年間とする」改善を直ちに行うこと。この期間の延長ができない場合、その理由を明らかにすること。

2.9月25日要望書でも求めた「公営住宅、セーフティネット住宅への転居を支援すること」のその後の検討と実施に向けての状況を明らかにされたい。

3.9月10日付で大阪弁護士会が貴職に提出した「生活困窮者自立相談窓口の職員体制の改善と住居確保給付金の抜本的な要件緩和等を求める要望書」のうち、職員体制の改善(人員、待遇など)についての実施状況を説明されたい。

4.なお、「支給要件」、「収入要件」、「支給額」の改善と拡充については、9月25日付の要望の実現を改めて申し入れる。

5.上記の事項を実施するため、「住居確保給付金」の予算を大幅に増額すること。また、「給付金利用者の実状を調査し、制度の拡充・改善を行い、全国的な『家賃補助制度』の実現の検討」についての考えを示すこと。                  以上 





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