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「脱法ハウス」問題の対応策についての第3次申し入れに対する国交省の回答

 10月18日、住まいの貧困に取り組むネットワークなど3団体が9月26日に国土交通大臣に対して提出した「『脱法ハウス』(違法貸しルーム)問題の対応策についての第3次申し入れ」に対して、国土交通省から回答が示されました。
 以下に申し入れ内容を再掲し、その回答を掲載します。

 残念ながら、国交省の回答は木で鼻をくくったような内容であり、私たちの要望に対して実のある回答は示されませんでした。

 引き続き、国や東京都に対して「脱法ハウス」問題への誠意ある対応を求めていきたいと考えていますが、ぜひ皆さんからも国交省に対する働きかけをお願いいたします。

 国交省のウェブサイトには「ホットラインステーション」というコーナーがあり、住宅行政に対する意見や苦情も伝えることができます。
 ぜひ、「脱法ハウス入居者への実効性のある住宅支援を行なってほしい」、「シェア居住をめぐる法的な整備を進めてほしい」といった意見を出していただければと思います。

 ご協力よろしくお願いします。


国土交通省ホットラインステーション(住宅・建築関係 6.その他の分野)
https://www.mlit.go.jp/hotline/hotline0799.html


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「脱法ハウス」問題の対応策についての第3次申し入れ(9月26日)に対する国交省の回答(10月18日)
                             
1.「違法貸しルーム」の「是正指導等の状況」に関して

 9月25日に公表した標記の状況について、①「是正指導中の物件」の違反内容の全容、②同違反についての所有者等の対応状況、③「違反なしの物件」の事例、について明らかにされたい。

【回答】①詳細は把握していないが、採光規定、間仕切り壁、非常用照明などで、都条例の窓先空地、面積違反(少ない)があると聞いている。②特定行政庁から指導を行っている。所有者等の対応は特に聞いていない。③寄宿舎を寄宿舎として使用している例を聞いている。

2.居住者の実状調査と相談窓口の設置について

(1) 貴職などによる「違法貸しルーム対策」によって、「違反の疑い」のあるシェアハウス、ゲストハウスの入居者に様々な動揺が生じている。こうした居住者の実状について、貴職は東京都をはじめ地方公共団体と連携し、緊急調査を業界団体や運営業者の協力も得て行うこと。

(2) また、居住者の意向や要望を直接聞き、対応する相談窓口を情報提供の窓口等も利活用し、国と地方公共団体が協力して常設し、相談活動を実施すること。

【回答】 特定行政庁が指導を行っているが、状況や諸条件を把握し、またその中で居住者への配慮が行われると考える。追い出しなどが起こらないよう時間的余裕も考慮しているということである。

3.追い出し行為の禁止と一時的な住まいの提供

(1) 貴職の9月6日付「違法貸しルーム対策に関する通知」や「違法貸しルームの是正指導」などにより、該当する多数のシェアハウス、ゲストハウスが封鎖や廃止を行うことが予想されている。
これらによる追い出し行為を未然に防止する対策を取り、追い出し行為が起こらないよう所有者、運営会社に対する助言、指導等を国、地方公共団体が連携して行うこと。

(2) 結果として封鎖、廃止となるシェアハウス、ゲストハウスからの転居については、居住者の要望に応じ、一時的な住まいを公的施設の提供(例:国立オリンピック記念青少年センター等)を含め行うようにすること。

【回答】 追い出し行為などについては、前回答の通りであるが、特定行政庁で是正指導を現場で行っている最中であり、居住者に配慮した取り組みとなるようにしている。現段階では、申し入れにあるような新たな対応や対策が必要とは考えていない。

4.居住者の住宅確保と居住の安定策について

(1) 上記、封鎖、廃止となるハウス居住者の恒常的な住宅の確保について、居住者の要望に対応し、①公的保証の適用(高齢者居住支援センターによる保証料減免など)、②入居初期費用の無利子貸出し(社会福祉協議会など)、等の措置を国と地方公共団体が協力して行うこと。

(2) 上記転居を余儀なくされる居住者の居住の安定を実現するため、民間賃貸住宅の借上げを東日本大震災での「みなし仮設」の措置などを参考に検討し、実施すること。

(3) 上記(1)の施策を実施する上で、既存の制度である厚労省の「住宅支援給付」、東京都の「TOKYOチャレンジネット」の適用を実現するため、厚労省、東京都との協議を行うこと。

【回答】 第4項の申し入れは、厚労省および東京都に関係する内容であるので、そちらに申し入れてもらいたい。なお、厚労省、東京都とは情報を共有しているので、連絡などは行っている。

5.シェアハウス等の新たな適用と法制上の整備について

(1) 今回の「違法貸しルーム」に係わり、シェアハウス、ゲストハウスの用途を「寄宿舎」とすることは、現行法規の下では妥当性があるが、一律、機械的な適用をめぐっては様々な議論がある。また、100㎡以下の物件に関しては用途変更申請の必要がないとされており、実態の把握が困難である。とりわけ区分所有マンションにおいては、違法の指摘や是正が管理組合に委ねられ、過重な負担となるなど、多くの問題が存在している。これらについての把握と考えを示されたい。

(2) 一方、非営利等のハウスシェアリング(UR賃貸住宅によるハウスシェア含む)について、一律的に寄宿舎と認定すれば、成り立たなくなると考えられる。したがって、有効な居住形態として注目されているシェア居住の実態に合った、より細かい法制度の整備と運用が必要である。このことについての見解と対応を合わせて示されたい。

(3) シェア居住は単身の若者や高齢者にとって極めて必要な居住形態となっている。シェアハウスの新たな定義と法制上の整備、適用と共に、シェア居住を積極的に誘導する施策を求める。

【回答】 いろいろな議論があることは承知しているが、100㎡未満のものは申請の必要がない等をめぐり、関係団体にも要請し、情報提供や対策をとるようにしている。区分所有マンションについては管理組合の支援を行うよう要請した。UR賃貸住宅のハウスシェアと同一であれば、寄宿舎でなく住宅である。今、実態についての現状把握を鋭意行っているところで、今後の問題はその後になるが、現行制度のもとで適切に対処していくという考えである。

6.住宅政策、居住政策の実施と改善について

(1) 国の「住生活基本計画」は、「低額所得者、被災者、高齢者、子どもを育成する家庭、外国人、ホームレス等の住宅の確保に特に配慮を要する者がそれぞれの特性に応じて適切な住宅を確保するよう、公営住宅等公的賃貸住宅を的確に供給するとともに民間賃貸住宅への円滑な入居を促進し・・・」と明記の施策を、「脱法ハウス」居住者に対しても具体的に実行することを求める。

(2) また、前記の公的保証制度の確立、入居初期費用の貸し出しと共に、住宅セーフティネット法第10条の「居住支援協議会」を設立し、「脱法ハウス」居住者の住宅確保と居住支援の実施など、居住施策の抜本的改善を行うこと。なお、高家賃や高負担の入居初期費用、保証人の問題等の諸問題の解決をめざす民間賃貸住宅政策の立案を強く求める。

【回答】 住生活基本計画に盛り込まれている施策は、違法貸しルームの問題と直接関係はしないが、住宅確保要配慮者に対しては、同計画の内容に従って対応していく。居住支援協議会とその活動については、それぞれ地方公共団体が適切に対応していると考えている。
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