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争点は住宅政策!参議院選挙2022 各党の公約を比較しました。

参議院選挙・住宅政策に関する選挙公約について

1.はじめに

 既に公示(6月22日)されておりますとおり、7月10日は、参議院選挙(以降、参院選)の投開票日となっています。住まいの貧困ネットワークでは、昨年の衆議院選挙に際してもいくつかの情報提供を行いましたが、今回も、選挙公約を検討しました。住宅政策は多くの領域にわたる、多義的なものであるため、借家を対象とした居住保障に関するものを中心に、まとめました。
 なお、今回対象にする政党は、下記NHKのHPにある9党を対象としました。
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/sangiin/pledge/

2.結論と順序付け

①順序付け


 公営住宅および家賃補助を軸に考えて、方向性と具体化の程度に応じて順序付けしてみるとするならば、下記のようになるかと思います(初出以降、略称とします)。

優れている…日本共産党、公明党、立憲民主党、れいわ新選組、社会民主党
具体的記述なし…自由民主党、日本維新の会、国民民主党
記述なし…NHK党


(なお公明党は、優れた住宅政策を掲げているため、自民党と国政でタッグを組んでいなければ推したい気持ちもあります。とはいえ、東京(都民ファースト)・大阪(維新の会)で与党となっている事例を見るに、立憲・共産・社民・れいわが伸びれば、公明党としても、恒常的家賃補助についてはむしろ積極的に動きやすくなるのでは…と期待しています。)

2206各党住宅政策一覧



3.優れた政策と評価しうるもの

A.日本共産党「45、住宅・マンション」

https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya45.html
・長いのですが、項目のみ挙げれば、①恒久的家賃補助制度の創設、②公営住宅充実・公団住宅改善、③サブリース業者の実効的規制、と要約できると思います。以上より、共産党の住宅政策は、最も具体的かつ充実したものの一つと評価できるのではないでしょうか。

B.公明党「参院選政策集Manifesto2022」
https://www.komei.or.jp/special/sanin2022/wp-content/uploads/manifesto2022.pdf
・多岐に渡るのですが、49ページが一番まとまっていて、①住宅手当制度の創設、②住宅セーフティネット法等見直し、③UR賃貸住宅の空き住戸をNPO法人等への定期借家で低廉な家賃で貸し出す仕組みなどが挙げられると思います。
→以上から考えるに、公明党は、①公的住宅について利用者の立場に立った活用、②住宅手当制度の創設の明示、③住宅セーフティネット制度見直しなど、かなり優れた内容だと評価できると思います。

C.立憲民主党「立憲民主党政策集2022」
https://elections2022.cdp-japan.jp/static/downloads/2022_seisakushu.pdf
・おそらく最も長い政策集で、(重複も含んで)
①賃貸住宅への月1万円の家賃補助、②公共の住宅等の家賃算定に家賃負担に対して実効性のある配慮/⾃治体への⽀援を通じて空き家を借り上げる「みなし公営住宅」を整備、③⽣活困窮者等の空き家への⼊居・⽣活⽀援に取り組んでいるNPOに財政的⽀援を行い、⼊居を断られてきた⽣活困窮者等の住まいの安⼼を確保、などが挙げられると思います。
→以上から考えるに、立民は、①公的住宅について利用者の立場に立った施策、②賃貸住宅への家賃補助、③困窮者への住まいの確保など、かなり優れた内容だと評価できると思います。

D.れいわ新選組「参議院選挙2022緊急政策」
https://sanin2022.reiwa-shinsengumi.com/policy2022#policy2022-07
⑦住まいは権利・家賃補助
→家賃補助制度を創設、引っ越し費用の支援。計画的に公共住宅のストックの増加が挙げられています。以上からするに、れいわは公共住宅ストックの計画的増加+家賃補助の創設で、方向性としては良いものではないかと判断しています。

E.社会民主党「参院選2022 選挙公約」
https://sdp.or.jp/political_promise/
>離職等により住居を失いかねない方に対する住居確保給付金の支給期間を撤廃して普遍的な家賃補助制度へ改正します。民間のアパート空き室を借り上げ、現物給付を行うなど、住まいの公的支援を実施します。
→普遍的家賃補助制度を明示化しています。かつ空き室借り上げの現物給付は、みなし公営住宅と言えると思います(そのため上記2②では、それ以外を〇としました)。以上の2点からするに、方向性としては優れたものと言えると思います。

4.具体的な記述がないもの

A.自由民主党「総合政策集2022J-ファイル」

https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20220616_j-file_pamphlet.pdf
・住宅セーフティネット制度の充実(199、pp38)は具体的制度の言及がありますが、それ以外は具体的記述なく、多子世帯への住宅支援(312、pp54)、生活や住まいの支援(336/369)などの言葉のみでした。
→以上より、自民党は、住宅そのものへの言及は多いのですが、住宅セーフティネット制度の推進に留まるという意味において、良かれ悪しかれ、現状維持という評価になると思います。

B.日本維新の会「政策提言維新八策2022」
https://o-ishin.jp/sangiin2022/ishinhassaku2022.pdf
・住居・生活・福祉などの支援の一体的提供(187、pp25)、子育て世代向けの住宅(308、pp38)がありますが具体的には書かれていませんでした。
→以上から考えるに、維新の会は、住宅に関する記述がないことはないのですが、他党に比して少なく、また具体的にどの制度を・どうしていくのかは書いていないので、住宅政策から考えるに、評価はできないのではないかと思います。

C.国民民主党「政策パンフレット」
https://new-kokumin.jp/wp-content/uploads/2022/06/aa56be5ada4f88075e277df648acde2e.pdf
→社会福祉との関連施策や災害施策はありましたが、公的住宅および家賃補助についての言及はありませんでしたので、評価できないと思います。

5.住宅政策に関する記述がないもの

NHK党「NHK党の公約について」>公約10年金・社会保障
https://syoha-senkyo.jp/policy/010/
・住宅政策そのものについて言及はありません。したがって、住宅政策から考えるに、NHK党は評価することはできない、という評価になるのかなと思います。













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