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【10.19住まい分科会】土田政彦さん(スマイルサービス事件裁判原告)

土田政彦さん(スマイルサービス事件裁判原告)
 山形の田舎から2年半ほど前に出てきた。一番最初に働き始めたところが、自動車工場関係の派遣会社だった。そこで寮の住み込みという形で働いていた。10か月ほど働いたのちに辞めるということになったが、貯えがなかった。辞めると寮を出ていかねばならなかったが、他に住む場所を探すといっても貯えがなかったので、敷金礼金も払える状態ではなかった。敷金・礼金ゼロの部屋を探し、不動産屋をまわっていた。新宿の不動産屋に行って、安く抑える方法はないかと相談したところ、家賃と諸費用3万円で入れるとスマイルサービスを紹介された。
 住み始めたころは、自動車工場とは違う派遣会社で働いていた。給料の支払いが家賃納付日の1ヵ月後。スマイルサービスの店頭に出向き、家賃が遅れると説明した。すると、施設再利用料15,750円と、家賃の10%を徴収された。普通の不動産屋ではあり得ない話だ。
 1回目を支払って2ヵ月後、また家賃の振り込みが遅れた。ある日、仕事から帰宅してみると、部屋のカギが開かない。なんでだろうと思ったら、ドアの隙間にB5サイズの紙が挟まっていた。「鍵を交換しました」という内容の紙だった。翌日、店に電話をしたところ、「家賃が支払われていないので、鍵を交換しました」と言われた。新しい鍵を受け取るためには店に行き、先ほどの違約金を支払わねばならなかった。
 1年6、7ヶ月住んでいたが、14回ほど、カギの交換および業者による無断立ち入りを受けた。就寝中に入り込まれ、追い出されたこともあった。
 現在は、スマイルの物件から出て、別の会社の寮にいま住んでいるが、仕事とリンクしており、なかなか住んだ心地がしない。寮生活というと、はたからみるとほっとしたような感じがあるが、やはり仕事とリンクしているといつ仕事に呼び出されるかとか不安に思ったり、なかなか自分の予定が組めない。会社に常に見られているような感じ。安心した住み心地がしない。できれば、会社と離れたところに住んだ方がよかったのかな、と今になって思っている。
 ゼロゼロ物件は増えていると思うが、スマイルサービスの契約は特殊で施設付鍵利用契約というものだった。通常なら賃貸借契約になるが、借主を保護する借地借家法を脱法するためにそのような特殊な契約システムで運用していた。10月8日に、スマイルサービスを提訴した。これまでに徴収した違約金を返還し被害者に謝罪し、社会に対して違法行為の責任を全うしてほしい。
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