シンエイとシンエイエステートに要求書を送付!!
住まいの貧困に取り組むネットワークは、この間シンエイエステート問題に取り組んでいるわけですが、8月4日付でシンエイとシンエイエステートに対し、契約内容および管理行為の改善や謝罪などを求めて、団体交渉の場を持つように要求書を送付しました。
相手が受け取ったようなので、ブログでも公開します。
回答期限を2009年8月12日としています。
回答が来なければ、もっと他の強力な手段を考え、実行に移します。
みなさんのご注目とご支援をぜひともよろしくお願い致します。
以下が要求書となります。少し長いですが、ぜひ読んでみてください。
PDFはこちらになります。
直近の賃貸契約条項と本要求書の第2の9項で指摘している念書についても公開します。(リンクをクリックしてください。)
東京都立川市錦町1-10-26
株式会社 シンエイ
代表取締役 中平 善久 殿
東京都立川市錦町1-10-26
株式会社 シンエイエステート
代表取締役 佐々木 哲也 殿
住まいの貧困に取り組むネットワーク
連絡先:東京都新宿区新小川町8-20
こもれび荘 もやい気付
第1 当団体及び本要求書について
当団体は、住宅問題や生活困窮者の支援に取り組むNPOや労働組合、借地借家人組合などに属する当事者諸個人や法律家からなる任意の団体です。
当団体において、貸主を㈱シンエイとし、管理会社を㈱シンエイエステートとする物件に居住している入居者から貴社の取り立て方法や契約内容について相談を受け、事実関係を確認し検討したところ、貴社の契約内容および管理行為に違法、もしくは不当行為が見られたので、ここに抗議し、謝罪および改善を求めます。つきましては、団体交渉の場を持ちたいと存じますので、2009年8月12日までに、貴社回答を書面にて当団体の連絡先まで送付いただきますようお願いいたします。
なお、本要求書および貴社回答は公開を前提としていることをご了承ください。
第2 要求の趣旨及び理由
【賃貸契約条項について】
貴社が使用している「賃貸契約条項」を、以下のように改めることを求める。
1 第4条(家賃・管理費・駐車場料の支払い)について
(1)要求の趣旨
条項の削除と徴収した金銭の返還を求める。
(2)要求の理由
本条項は、借主が家賃の支払いを遅延した際に、貸主が行う督促業務を理由として、借主に対し手数料3千円の支払いを義務付ける条項である。しかし、督促手数料という名目をとっていたとしても、支払期日を遅延した際に支払う金銭としては、滞納違約金と同様であることは疑いようがない。消費者契約法9条2号では支払期日のある金銭の違約金として上限を年率14.6%と定めており、また、滞納期間に関わらず、一律に3千円の支払いを義務付けることは、消費者の利益を一方的に害する条項であるから、消費者契約法10条に基づき、違法である。また、口座振替によらない支払いにおいてはコンビニ振込用紙を郵送にて送付しているが、その際には名目が不明な500円を上乗せして請求しており、この点についても違法である。これらは不当な利得であり、貴社はこれまでに得た不当利得について返還する義務を負っている(民法703条)。よって、即刻、元入居者を含めて、これまでに支払ったことのあるすべての居住者に対して、謝罪の上、返還するよう求める。
2 第9条(契約上の義務)について
(1)要求の趣旨
火災保険加入は義務付けるべきではない。
(2)要求の理由
火災保険の加入は法的義務のない賃借人の任意であって、入居、または契約更新のための義務として実質的な入居条件としているのは不当である。また、現在貴社は日動火災海上保険株式会社のみとの保険契約を入居者に求め、入居者は他に選択しようがない。これは、独占禁止法19条で規制する不公正な取引方法(抱き合わせ販売)であり、即刻、改めることを求める。つまり、入居者の自由な選択により、賃貸人が指定する指定業者以外の保険加入を任意で認めるべきである。
3 第12条(退室の申入れ)について
(1)要求の趣旨
①火災保険加入は義務付けるべきではない。
②1ヶ月につき1万2千円の延長更新料は趣旨が不明であり、徴収をやめるべきである。
(2)要求の理由
①上記2と同様。
②1ヶ月につき1万2千円の延長更新料は趣旨が不明であり、消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする消費者契約法10条により無効であるので、即刻、条項を削除するように求める。
4 第14条(契約の解約)について
(1)要求の趣旨
第14条はすべて削除するべきである。
(2)要求の理由
賃貸借契約は継続的契約であり、判例においても、賃借人の債務不履行ないし義務違反(賃料不払、用法違反や保管義務違反)を理由とする解除は、その債務不履行ないし義務違反が信頼関係の破壊にあたる場合にのみ許されると解されている。
この点につき、(1)については、1ヶ月程度の滞納では信頼関係の破壊にあたらず、(2)~(5)については、義務違反が信頼関係の破壊に直結するわけではなく、各理由を解除事由とするのは不当である。
よって、本条項の規定する無催告解除は、催告をしなくても不合理とは認められない事情が存する場合とは到底認められないのであり、削除するよう求める。
5 第15条(退室立会費)について
(1)要求の趣旨
「退室立会費」の徴収はやめるべきであり、返還を求める。
(2)要求の理由
入居時に敷金ゼロ礼金ゼロで契約した入居者の多くは、仲介業者にて「退室立会費」なる名目で、本契約締結時に前払いで数万円を徴収されている。これは、3項でルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等に充当するものとされ、預託中の敷金がある場合には、敷金との相殺にて支払うとされていることからも、実質的には敷金の趣旨とみることができる。
敷金であれば、退去時に原状回復の賃借人負担分を差し引いた金額を返還されなければならないにもかかわらず、5項では、退室立会費は、解約の理由を問わず、返金されないものとされている。
さらに、賃借人の原状回復義務とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することをいうのであり(国土交通省・『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』)、次の入居者を確保するための業者によるルームクリーニング、シャワーカーテン交換、または鍵交換に伴う費用は賃貸人が負担するべきものである。
よって、本条項のような自然損耗・通常損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる旨の特約は、消費者契約法10条に該当し、無効と考えられ、違法な「退室立会費」の徴収はやめるべきであり、全額の返還を求める。
6 第16条(原状回復及び明渡し・修繕)について
(1)要求の趣旨
第16条の2項、3項を削除、4項を改訂すべきである。
(2)要求の理由
まず、2項は、解約の理由を問わず、賃貸人に対して賃借人が本契約に基づく金銭以外の請求を不可能とする条項であり、消費者契約法10条により無効であることは明白である。
次に、3項は、解約日までに明渡しをしなかった場合、あるいは、第14条に基づく無催告解除に該当した場合、ただちに鍵交換や荷物撤去処分を可能とする内容であり、法治国家では認められていない自力救済を認める条項である。これは、民法90条(公序良俗違反)あるいは消費者契約法10条により無効であり、実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。
4項は、原状回復についての特約とみられるが、①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること、②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること、③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること、といった、国土交通省による『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』が示す要件を満たしておらず、特約は成立せず無効となる。よって、該当条項は本契約締結時に賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書の説明を受け、受領した場合に限らず、無効である。
また、入居者の入れ替わりによる物件管理上の必要性から、本来は賃貸人が負担すべき鍵交換費用を、賃借人が入居時と退去時に求められている事例もあり、原状回復及び修繕についての貴社の営業方針は悪質性が高い。不当な請求を行なったことに対して入居者に謝罪し、不当な利得を返還するよう求める。
さらに、経年変化やタバコのヤニ汚れを含む通常使用による自然損耗は賃貸人が負担する旨を明確に記載するよう改訂を求める。
7 第18条(その他)について
(1)要求の趣旨
通知のない撤去・処分を認める条項は削除するべきである。
(2)要求の理由
入居者は、入居物件敷地内にバイク・自転車を駐輪する際、現在1台につき1050円の登録料を支払い、駐輪登録証なるシールを貼付している。しかし、入居物件の駐輪場は入居者の共有部であり、その場所に駐輪するための登録料を徴収することは趣旨や対価性が不明である。入居者以外の駐輪を防止するためには単に入居者にシールを配布すれば足りるのであり、よって、物件敷地内にバイク・自転車を駐輪する際の登録料を徴収する必要はないのだから、即刻徴収をやめるよう求める。
さらに、撤去・処分の通知なく撤去・処分を行なうことは法治国家では認められていない自力救済となり違法である。よって、該当条項の削除を求める。
また、撤去・処分されたことによりバイク・自転車を失った入居者からの申告には、真摯に対応し、損害を賠償するよう求める。
8 第19条(特約)について
(1)要求の趣旨
自力救済を認容する不当条項につき削除すべきである。
(2)要求の理由
契約条項内では、「強制退室」の具体的な内容が明確ではないが、いずれにしても、法的手続きに則らない自力救済は法治国家では基本的に認められておらず、違法である。実際に、家賃滞納をきっかけとして自宅まで㈱シンエイの従業員に来られ、鍵を開けられた居住者による報告も複数事例が挙がっている。入居者の居宅は、居住スペースとして排他的な独占権が認められるもので、たとえ管理者であっても自由に出入りできるものではないことは論をまたず、上記6でも述べたように住居侵入罪(刑法130条)に該当する犯罪行為である。このような行為が「強制退室」の処置に至る経緯として行なわれているのであれば、決して許されるものではなく、厳しく抗議する。貴社に対し被害者に謝罪を示し、真摯に反省するよう求め、該当条項の削除を求める。
【念書について】
9 念書について
(1)要求の趣旨
念書は撤廃すべきである。
(2)要求の理由
貴社は保証人が不要であるとHPなどで謳っておきながら、保証人をつけることができない入居者に対しては、実際には上記「念書」を書かせている。
保証人をつけることができない入居者を募っておきながら、特別な念書を交わすことを入居条件とするのは、不当というほかない。まず、「契約条項を遵守し、特に賃料の滞納しないこと、物件・付属設備等を故意に破損しないことを約束」するという内容は、保証人をつけることができる如何に関わらない賃借人の義務であり、保証人をつけることができない賃借人に特別に成約を求めるのは、明白な差別である。
また、「万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません」という条文は、上記6で述べたように、法治国家では認められていない自力救済を認める条項である。これは、民法90条(公序良俗違反)あるいは消費者契約法10条により無効であり、実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。
さらに、保証人をつけることができないことをもって、特別に家賃2ヵ月分の敷金を徴収することに合理的な根拠はない。
よって、該当念書については撤廃するよう強く求める。
【威迫行為について】
10 脅迫・威迫行為について
(1)要求の趣旨
家賃滞納者への取り立てのための恫喝や威圧といった威迫行為をやめ、また、謝罪するよう求める。
(2)要求の理由
ある入居者から次のような申告を受けている。
退去手続きのために店頭に行ったが、家賃滞納を理由にして「退去するよりも、金を払うのが先だろ」と契約解除を認められなかった。さらには、家賃の支払いを約束するまで40分以上にわたって恫喝を受け続け、その足でコンビニに行き、支払うことを約束するまで解放されなかった。
これは宅建業法47条の2で禁止されている威迫行為に当たることは明白である。
さらに、こういった強引な取り立ては脅迫罪(刑法222条)に該当するとも考えられ、賃借人の尊厳を貶め、侮辱するものであり、強く抗議し、謝罪を要求する。
以上
相手が受け取ったようなので、ブログでも公開します。
回答期限を2009年8月12日としています。
回答が来なければ、もっと他の強力な手段を考え、実行に移します。
みなさんのご注目とご支援をぜひともよろしくお願い致します。
以下が要求書となります。少し長いですが、ぜひ読んでみてください。
PDFはこちらになります。
直近の賃貸契約条項と本要求書の第2の9項で指摘している念書についても公開します。(リンクをクリックしてください。)
2009年8月4日
東京都立川市錦町1-10-26
株式会社 シンエイ
代表取締役 中平 善久 殿
東京都立川市錦町1-10-26
株式会社 シンエイエステート
代表取締役 佐々木 哲也 殿
住まいの貧困に取り組むネットワーク
連絡先:東京都新宿区新小川町8-20
こもれび荘 もやい気付
要求書
第1 当団体及び本要求書について
当団体は、住宅問題や生活困窮者の支援に取り組むNPOや労働組合、借地借家人組合などに属する当事者諸個人や法律家からなる任意の団体です。
当団体において、貸主を㈱シンエイとし、管理会社を㈱シンエイエステートとする物件に居住している入居者から貴社の取り立て方法や契約内容について相談を受け、事実関係を確認し検討したところ、貴社の契約内容および管理行為に違法、もしくは不当行為が見られたので、ここに抗議し、謝罪および改善を求めます。つきましては、団体交渉の場を持ちたいと存じますので、2009年8月12日までに、貴社回答を書面にて当団体の連絡先まで送付いただきますようお願いいたします。
なお、本要求書および貴社回答は公開を前提としていることをご了承ください。
第2 要求の趣旨及び理由
【賃貸契約条項について】
貴社が使用している「賃貸契約条項」を、以下のように改めることを求める。
1 第4条(家賃・管理費・駐車場料の支払い)について
第4条(家賃・管理費・駐車場料の支払い) 4.入金方法に関わらず、前月末日までに乙(借主)が甲(貸主)へ当月分の支払いを滞った場合は、請求書の配布、電話連絡等の甲の負荷業務に伴う費用として、乙は甲に督促手数料3千円を支払うものとします。 |
(1)要求の趣旨
条項の削除と徴収した金銭の返還を求める。
(2)要求の理由
本条項は、借主が家賃の支払いを遅延した際に、貸主が行う督促業務を理由として、借主に対し手数料3千円の支払いを義務付ける条項である。しかし、督促手数料という名目をとっていたとしても、支払期日を遅延した際に支払う金銭としては、滞納違約金と同様であることは疑いようがない。消費者契約法9条2号では支払期日のある金銭の違約金として上限を年率14.6%と定めており、また、滞納期間に関わらず、一律に3千円の支払いを義務付けることは、消費者の利益を一方的に害する条項であるから、消費者契約法10条に基づき、違法である。また、口座振替によらない支払いにおいてはコンビニ振込用紙を郵送にて送付しているが、その際には名目が不明な500円を上乗せして請求しており、この点についても違法である。これらは不当な利得であり、貴社はこれまでに得た不当利得について返還する義務を負っている(民法703条)。よって、即刻、元入居者を含めて、これまでに支払ったことのあるすべての居住者に対して、謝罪の上、返還するよう求める。
2 第9条(契約上の義務)について
第9条(契約上の義務) 2.乙は本物件の使用において、乙の負担にて本物件の火災保険に加入しなければならないものとします。 |
(1)要求の趣旨
火災保険加入は義務付けるべきではない。
(2)要求の理由
火災保険の加入は法的義務のない賃借人の任意であって、入居、または契約更新のための義務として実質的な入居条件としているのは不当である。また、現在貴社は日動火災海上保険株式会社のみとの保険契約を入居者に求め、入居者は他に選択しようがない。これは、独占禁止法19条で規制する不公正な取引方法(抱き合わせ販売)であり、即刻、改めることを求める。つまり、入居者の自由な選択により、賃貸人が指定する指定業者以外の保険加入を任意で認めるべきである。
3 第12条(退室の申入れ)について
第12条(退室の申入れ) 3.解約日(最終家賃日)が契約期間満了日を超えてしまう場合は、賃貸借契約の更新をするか、延長更新手続きを行った上で退室手続きを行うものとします。但し、どちらの場合も、乙の負担にて火災保険の加入をしなければならないものとします。なお、延長更新は2ヶ月まで有効とし、1ヶ月につき1万2千円の延長更新料が賃料の他に必要になるものとします。 |
(1)要求の趣旨
①火災保険加入は義務付けるべきではない。
②1ヶ月につき1万2千円の延長更新料は趣旨が不明であり、徴収をやめるべきである。
(2)要求の理由
①上記2と同様。
②1ヶ月につき1万2千円の延長更新料は趣旨が不明であり、消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする消費者契約法10条により無効であるので、即刻、条項を削除するように求める。
4 第14条(契約の解約)について
第14条(契約の解約) 甲は乙が次の各項の何れかに該当する場合、催告を要せず直ちに本契約を解約することができるものとします。 (1)乙が賃料を1ヶ月分でも滞納したとき。 (2)乙が本契約の各条項に1つでも違反したとき。 (3)乙が本契約書及び、本契約に必要な書類に虚偽の記載をし、不正な方法により入居したとき。 (4)丙が連帯保証の引き受けを拒否したとき。 (5)本契約書記載の各人員に暴力団の構成員がいたとき、またはこれらの者を出入りさせたとき。 |
(1)要求の趣旨
第14条はすべて削除するべきである。
(2)要求の理由
賃貸借契約は継続的契約であり、判例においても、賃借人の債務不履行ないし義務違反(賃料不払、用法違反や保管義務違反)を理由とする解除は、その債務不履行ないし義務違反が信頼関係の破壊にあたる場合にのみ許されると解されている。
この点につき、(1)については、1ヶ月程度の滞納では信頼関係の破壊にあたらず、(2)~(5)については、義務違反が信頼関係の破壊に直結するわけではなく、各理由を解除事由とするのは不当である。
よって、本条項の規定する無催告解除は、催告をしなくても不合理とは認められない事情が存する場合とは到底認められないのであり、削除するよう求める。
5 第15条(退室立会費)について
第15条(退室立会費) 1.乙の本物件の入居期間に関わらず、乙の退室の際は、甲により必ず本物件の点検を行うものとします。乙は甲の行なう点検に立会うものとし、その点検及び立会いに伴う費用は、乙の負担とします。 2.点検及び立会いに伴う費用は「退室立会費」として、乙は本契約締結時に前払いで甲に支払うものします。 3.乙は本契約の解約時に、新規契約時及び更新契約時の契約書、またはそれに添付の覚書に基づいて、ルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等を甲に支払うものとし、乙から甲に預託中の敷金がある場合は、第5条3項に基づき、敷金との相殺にて支払うことができるものとします。但し、本契約締結時に乙が甲に退室立会費を支払済みの場合には、ルームクリーニング代等は発生しないものとします。 5.甲が乙より受領する退室立会費は、解約の理由を問わず、返金されないものとします。 |
(1)要求の趣旨
「退室立会費」の徴収はやめるべきであり、返還を求める。
(2)要求の理由
入居時に敷金ゼロ礼金ゼロで契約した入居者の多くは、仲介業者にて「退室立会費」なる名目で、本契約締結時に前払いで数万円を徴収されている。これは、3項でルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等に充当するものとされ、預託中の敷金がある場合には、敷金との相殺にて支払うとされていることからも、実質的には敷金の趣旨とみることができる。
敷金であれば、退去時に原状回復の賃借人負担分を差し引いた金額を返還されなければならないにもかかわらず、5項では、退室立会費は、解約の理由を問わず、返金されないものとされている。
さらに、賃借人の原状回復義務とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することをいうのであり(国土交通省・『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』)、次の入居者を確保するための業者によるルームクリーニング、シャワーカーテン交換、または鍵交換に伴う費用は賃貸人が負担するべきものである。
よって、本条項のような自然損耗・通常損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる旨の特約は、消費者契約法10条に該当し、無効と考えられ、違法な「退室立会費」の徴収はやめるべきであり、全額の返還を求める。
6 第16条(原状回復及び明渡し・修繕)について
第16条(原状回復及び明渡し・修繕) 1.乙は本契約の解約にあたり、本物件を原状回復の上、甲に明渡すものとします。但し、原状回復については甲の立会いを経て、本契約の内容を遵守し、甲の指示に従って行うものとします。 2.乙は明渡しの際、解約の理由を問わず、甲に対して移転料、立退料、損害賠償、その他、本契約に基づく金銭以外の請求をできないものとします。 3.乙が解約日までに本物件の明渡しを怠ったとき、または第14条に該当するときは、甲は直ちに明渡しを執行することができるものとします。その際、甲は玄関ドアの鍵交換を行ない、本物件内に残置した家財、物品等は甲が任意に処分、または任意の場所に保管できるものとし、その費用は乙の負担とします。 4.本物件の畳・襖・クロス・床・壁・柱・天井・窓・戸・硝子・台所設備・浴室・トイレ・給湯器等、またはそれに付属する器具の汚損(タバコのヤニ汚れを含む)、または破損の修理費は乙の負担とし、退室時に生じる畳・襖・クロスの張り替えについては自然損耗の場合、甲乙折半とします。但し、本契約締結時に賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書の説明を受け、受領した場合についてはこの限りではないものとします。 |
(1)要求の趣旨
第16条の2項、3項を削除、4項を改訂すべきである。
(2)要求の理由
まず、2項は、解約の理由を問わず、賃貸人に対して賃借人が本契約に基づく金銭以外の請求を不可能とする条項であり、消費者契約法10条により無効であることは明白である。
次に、3項は、解約日までに明渡しをしなかった場合、あるいは、第14条に基づく無催告解除に該当した場合、ただちに鍵交換や荷物撤去処分を可能とする内容であり、法治国家では認められていない自力救済を認める条項である。これは、民法90条(公序良俗違反)あるいは消費者契約法10条により無効であり、実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。
4項は、原状回復についての特約とみられるが、①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること、②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること、③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること、といった、国土交通省による『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』が示す要件を満たしておらず、特約は成立せず無効となる。よって、該当条項は本契約締結時に賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書の説明を受け、受領した場合に限らず、無効である。
また、入居者の入れ替わりによる物件管理上の必要性から、本来は賃貸人が負担すべき鍵交換費用を、賃借人が入居時と退去時に求められている事例もあり、原状回復及び修繕についての貴社の営業方針は悪質性が高い。不当な請求を行なったことに対して入居者に謝罪し、不当な利得を返還するよう求める。
さらに、経年変化やタバコのヤニ汚れを含む通常使用による自然損耗は賃貸人が負担する旨を明確に記載するよう改訂を求める。
7 第18条(その他)について
第18条(その他) 3.本物件敷地内のバイク・自転車の駐輪は登録制とします。登録により発行する駐輪登録証を指定の箇所に貼っていない場合、甲は撤去・処分の通知なく、それを行なうことができるものとします。 |
(1)要求の趣旨
通知のない撤去・処分を認める条項は削除するべきである。
(2)要求の理由
入居者は、入居物件敷地内にバイク・自転車を駐輪する際、現在1台につき1050円の登録料を支払い、駐輪登録証なるシールを貼付している。しかし、入居物件の駐輪場は入居者の共有部であり、その場所に駐輪するための登録料を徴収することは趣旨や対価性が不明である。入居者以外の駐輪を防止するためには単に入居者にシールを配布すれば足りるのであり、よって、物件敷地内にバイク・自転車を駐輪する際の登録料を徴収する必要はないのだから、即刻徴収をやめるよう求める。
さらに、撤去・処分の通知なく撤去・処分を行なうことは法治国家では認められていない自力救済となり違法である。よって、該当条項の削除を求める。
また、撤去・処分されたことによりバイク・自転車を失った入居者からの申告には、真摯に対応し、損害を賠償するよう求める。
8 第19条(特約)について
第19条(特約) 乙に賃料の未払いが生じ、甲及び株式会社シンエイエステートの請求にも関わらず、乙が指定の期日までに支払いを怠る、または約束不履行の際、甲は「強制退室」の処置を行うものとします。 |
(1)要求の趣旨
自力救済を認容する不当条項につき削除すべきである。
(2)要求の理由
契約条項内では、「強制退室」の具体的な内容が明確ではないが、いずれにしても、法的手続きに則らない自力救済は法治国家では基本的に認められておらず、違法である。実際に、家賃滞納をきっかけとして自宅まで㈱シンエイの従業員に来られ、鍵を開けられた居住者による報告も複数事例が挙がっている。入居者の居宅は、居住スペースとして排他的な独占権が認められるもので、たとえ管理者であっても自由に出入りできるものではないことは論をまたず、上記6でも述べたように住居侵入罪(刑法130条)に該当する犯罪行為である。このような行為が「強制退室」の処置に至る経緯として行なわれているのであれば、決して許されるものではなく、厳しく抗議する。貴社に対し被害者に謝罪を示し、真摯に反省するよう求め、該当条項の削除を求める。
【念書について】
9 念書について
念書 賃貸借契約を締結するにあたり、契約条項第11条の連帯保証人を選任せずに契約入居することの許可をお願い致します。 上記物件を賃借するにあたり、契約条項を遵守し、特に賃料の滞納しないこと、物件・付属設備等を故意に破損しないことを約束致します。 万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません。 なお、今回賃貸借契約を締結するにあたり、敷金(家賃2ヵ月分)を預け入れ致します。 |
(1)要求の趣旨
念書は撤廃すべきである。
(2)要求の理由
貴社は保証人が不要であるとHPなどで謳っておきながら、保証人をつけることができない入居者に対しては、実際には上記「念書」を書かせている。
保証人をつけることができない入居者を募っておきながら、特別な念書を交わすことを入居条件とするのは、不当というほかない。まず、「契約条項を遵守し、特に賃料の滞納しないこと、物件・付属設備等を故意に破損しないことを約束」するという内容は、保証人をつけることができる如何に関わらない賃借人の義務であり、保証人をつけることができない賃借人に特別に成約を求めるのは、明白な差別である。
また、「万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません」という条文は、上記6で述べたように、法治国家では認められていない自力救済を認める条項である。これは、民法90条(公序良俗違反)あるいは消費者契約法10条により無効であり、実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。
さらに、保証人をつけることができないことをもって、特別に家賃2ヵ月分の敷金を徴収することに合理的な根拠はない。
よって、該当念書については撤廃するよう強く求める。
【威迫行為について】
10 脅迫・威迫行為について
(1)要求の趣旨
家賃滞納者への取り立てのための恫喝や威圧といった威迫行為をやめ、また、謝罪するよう求める。
(2)要求の理由
ある入居者から次のような申告を受けている。
退去手続きのために店頭に行ったが、家賃滞納を理由にして「退去するよりも、金を払うのが先だろ」と契約解除を認められなかった。さらには、家賃の支払いを約束するまで40分以上にわたって恫喝を受け続け、その足でコンビニに行き、支払うことを約束するまで解放されなかった。
これは宅建業法47条の2で禁止されている威迫行為に当たることは明白である。
さらに、こういった強引な取り立ては脅迫罪(刑法222条)に該当するとも考えられ、賃借人の尊厳を貶め、侮辱するものであり、強く抗議し、謝罪を要求する。
以上
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