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週刊東洋経済(09年8月10日発売号)に追い出し屋問題の記事が掲載されています。

週刊東洋経済(09年8月10日発売号)にNWで取材協力した追い出し屋問題の記事が掲載されていて、東洋経済のWEBにも出ているようなので、こちらにもUPしておきます。
フォーシーズ以外に社名は出ていませんが、シンエイエステートとアムスエステート被害の具体例がでています。

東洋経済のWEBをご覧ください。

トラブル急増の「追い出し屋」問題、規制論議が始まるも見えない着地点

7月24日、大阪、愛知、福岡の賃貸物件の借り主が、家賃滞納を理由に強引に退去を迫られたとして、不動産会社などを相手に損害賠償を求め、一斉に提訴した。
 「執拗な取り立てで睡眠障害に陥り、うつ病に追い込まれた」。提訴した名古屋市の20代女性は語る。頼れる親族もおらず、母子家庭で4歳児を育てるこの女性は、入居の際に賃貸仲介会社から家賃保証会社「フォーシーズ」との契約を求められた。その後、子供の病気による想定外の収入減で家賃滞納に陥った。
 幼子を抱えるため仕事はアルバイトしかなく、毎月ごとの家賃支払いで精いっぱい。結局、滞納後は一月遅れの支払いを余儀なくされ、そのたび滞納時のペナルティとして「更新保証委託料」1万円を支払い続けた。

無断で鍵交換も 相談件数は急増

 ここ数年、アパートなどの賃貸借契約を結ぶ際、家賃保証会社との契約を求められるケースが増えている。家賃保証会社は、借り主から保証料を受け取り、家賃を滞納した際に連帯保証人に代わって一時的に家賃を肩代わりする。
 帝国データバンクの調査では、家賃保証会社29社の2008年の収入は合計217億円と2年前から倍増。過払い金返還請求問題にさらされた金融業者が、その債権回収能力をアピールポイントに参入しているという。
 昨年からの景気悪化で家賃を支払えなくなる借り主が増え、最近ではトラブルも急増している。家賃保証会社が無断で鍵交換をしたり、家財処分をするなどのケースが続出。同業界には監督官庁がなく、直接規制する法律もないことから、一部業者は「追い出し屋」として社会問題化している。
 国民生活センターに寄せられた相談件数も、08年度は428件と前年度比で倍以上に。弁護士や司法書士が2月に結成した「全国追い出し屋対策会議」によると、相談者は30代が中心で、無職、派遣、アルバイトなど収入が不安定な人が多いという。
 「貯金口座にあるだけ、コンビニで下ろして持ってこい」。6月、家賃を滞納した男性(30)は、追い出し屋にすごまれ、残金4万円すべてを差し出した。男性はIT機器の営業サポートの正社員だったが、過労で倒れパワハラを受け、退職に追い込まれた。家賃支払日に雇用保険の受給が間に合わず、結局、退職後4回ほど「督促手数料」を要求された。
 また、仕事が入らず無給状態が続く元派遣社員の男性(30)は、鍵交換の被害に遭う寸前だった。「長期の仕事から家に戻ると男性2人がドアノブをいじっていた。一日帰宅が遅れていたら締め出されていた」。
 都内国立大学の男子学生(25)は、アルバイト代と奨学金で家賃を賄っていたが、一時支払いが滞り、突如ドアに施錠具が取り付けられた。後日、荷物も撤去され、「カーテンすら残っておらず、コートにくるまって朝を迎えた」と言う。

規制強化の方針が大幅にトーンダウン

 行き過ぎた実力行使に対しては批判が高まり、これまでも裁判ざたとなっていた。
 前出のフォーシーズは深夜まで取り立て行為をしたとして、福岡簡裁の判決で慰謝料の支払いを命じられた。だが丸山輝社長は自社ブログで「100万円の請求に対しての5万円の判決。司法関係者が内容を確認すれば弊社は敗訴でないことは明白」と強調。これに対し同訴訟の控訴審で原告側の弁護を担当する美奈川成章弁護士は「違法な行為を認定したかどうかが問題で、しっかり認定された」と反論する。
 ただフォーシーズ側も、これまで徴収してきた「更新保証委託料」については全借り主に返還していくという。
 トラブル増加を受け、国土交通省は2月、家賃保証会社に関する通達を出した。鍵交換や家財処分、高額な遅延損害金等について、刑事、民事責任に言及し警告を発している。実際、大阪簡裁は5月、「法律無視の鍵交換や住居侵入行為は、国民の住居の平穏や居住権を侵害する違法な行為として厳しく非難されなければならない」とし、家賃保証会社に65万円の支払いを命じた。
 ところが法整備を担う国交省の審議会の動きは鈍い。7月31日の中間取りまとめでは家賃保証会社への規制案として、許可制や登録制が検討事項とされたが、当初の「素案」になかった業界団体の自主規制案が急浮上するなど、規制強化の方針は大幅にトーンダウン。同様に賃貸契約の際に情報提供したり、家賃請求の際のガイドラインを策定する案が前面に押し出された。
 実際、追い出し屋問題を議論した5月の審議会では、委員の貸し手側の論理に埋め尽くされた。
 「鍵交換と財産処分以外は被害ではない。催促や請求が来るのは当たり前」(全国宅地建物取引業協会連合会の川島健太郎常務理事)、「登録制や許可制より重要なのは、家賃滞納時、大家に損害を与えずに済む法制度の策定」(政策大学院大学の福井秀夫教授)。
 全国追い出し屋対策会議代表幹事の増田尚弁護士は「明らかに人選が業界に寄りすぎ。借り主代表の委員も参加させるべき」と指摘する。
 厚生労働省は失業者救済の住宅手当制度を10月に創設することを決めたが、住宅政策に詳しい大阪市立大学の小玉徹教授は「生活保護以外の住宅手当のない先進国は日本ぐらい。追い出し屋追放のためにもより支給要件を広げるべき」と語る。
 追い出し屋問題が図らずも明らかにしたのは、この国の住宅政策をめぐる議論の貧困といえる。
(風間直樹 =週刊東洋経済)


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週刊東洋経済(09年8月10日発売号)
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