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シンエイに提出する「通告書」について法律家からの解説がでています。

このブログでもご案内していますが、9月12日(土曜)に立川でシンエイエステートに対してデモを行ないます。その後、本社に向かい、元入居者を含めた入居者のみなさんと滞納違約金と退室立会費の返還を求める下記のような通告書を提出する予定です。
ビラ裏面
ワード形式でもダウンロードできますので、もし可能なら、記入済みのものを当日持参されても構いません。ここをクリックするとダウンロードがはじまります。

この通告書について、首都圏追い出し屋対策会議のメンバーで東京市民法律事務所の酒井恵介弁護士から解説を書いていただきました。酒井弁護士は9月12日当日もお越しいただける予定です。

あらかじめお断りしておきますが、通告書を出せば、必ず金額が全額返還されるかどうかは、わかりません。9月12日の行動全体が、シンエイに対しどのくらいの圧力をかけられるか、によると思われます。
この通告書については当日14時からの相談会でも説明します。

以下が解説になります。


通告書についての解説文

1 株式会社シンエイを賃貸人,株式会社シンエイステートを管理会社となっている賃貸物件についての賃貸借契約書の多くには,①「督促手数料」(一律3000円)の徴収及び②「退室立会費」の徴収についての条項が定められていると思われます。

しかし,かかる①~②の各条項には,以下のとおりの法律上の問題点があります。

2 ①「督促手数料」に関する条項については,賃借人が,「家賃・管理費・駐車場料及びその消費税」の支払いを遅延した場合に,その滞納額及び滞納期間を問わず,賃借人に対し,一律に「3000円」の「督促手数料」を徴収することを義務づけるものとされています。
  株式会社シンエイとの賃貸借契約は,消費者契約(消費者契約法2条3項)にあたります。そして,かかる「督促手数料」に関する条項は,「消費者契約に基づき支払うべき金銭」について「支払期日・・・までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し,又は違約金を定める条項」にあたるものです。この場合の「損害賠償の額を予定」又は「違約金」の上限は,「支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額」(滞納額)に対する「支払期日の翌日からその支払をする日までの期間」(滞納期間)についての年14.6%の割合によるものとなり,これを超えた部分は無効となります(消費者契約法9条2号)。したがって,かかる「督促手数料」(「督促手数料」とは別に遅延損害金を徴収している場合にはその合算額)が,滞納額に対する滞納期間における年14.6%の割合の金額を超える金額であれば,その超過部分は無効となります。
 また,実際の滞納額及び滞納期間との関係もあると思いますが(本来徴収できる金額との乖離が著しいような場合など),本来は「督促手数料」は債権者の負担であることが原則であることからも(民法485条にいう「弁済の費用」には債権取立のための費用は含まれない(東京地判昭和55年11月28日・判時1003号113頁,東京高判昭和45年6月24日・下級裁判所民事裁判例集21巻5・6号994頁)。),滞納額及び滞納期間に関わらず一律「3000円」の支払いを義務づける条項全体について,「消費者の利益を一方的に害する条項」であるとして,消費者契約法10条に基づき無効となる可能性もあります。

3 ②「退室立会費」に関する条項については,賃借人の退室時の点検及び立会いに伴う費用とされ,賃貸借契約締結時に前払いで徴収され,解約の理由を問わず返金されないものとされています。
(1) まず,かかる「退室立会費」の徴収の趣旨が明らかではありません。賃貸人側の日当等と解釈したとしても,このような費用を当然に賃借人が負担するという慣習はなく,また,数万円に上る場合には必要以上に高額なものと言えます。したがって,かかる「退室立会費」の徴収に関する条項自体,「消費者の利益を一方的に害する条項」であるとして,消費者契約法10条に基づいて無効となる可能性があります。
(2) また,仮に,「退室立会費」について敷金としての性質を有していると考えられるとしても,敷金であれば,退去時に原状回復の賃借人負担分を差し引いた金額を返還されなければなりません。この点,建物の賃貸借においては,経年劣化による自然損耗や通常の使用による通常損耗については,賃料の中に含まれており(最二小判平成17年12月16日・判時1921号63頁),原状回復費用のうち自然損耗や通常損耗については賃貸人が当然に負担しなければならず,賃借人は,故意・過失,善管注意義務違反による損耗についてのみ負担すれば足ります(国土交通省・「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」参照)。
  したがって,「退室立会費」について解約の理由を問わず返金されないとする条項については,「消費者の利益を一方的に害する条項」として消費者契約法10条により無効なると思われます(敷引き特約について,神戸地判平成17年7月14日・判時1901号87頁,賃借人に自然損耗や通常損耗による費用を負担させる特約について,大阪高判平成16年12月17日・判時1894号19頁,大阪高判平成17年1月28日・兵庫弁護士会HPなど)。
以上

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