【10.19住まい分科会】草間幸彦さん(「ホームレス地域生活移行支援事業裁判」を支える会)
草間幸彦さん(「ホームレス地域生活移行支援事業裁判」を支える会)
普段は、東京東部で、野宿している人、野宿から脱した方々の支援などに携わっている。今日は、「ホームレス地域生活移行支援事業裁判」を支える会として報告する。
2004年から東京の23区で、野宿されている方を対象として「ホームレス地域生活移行支援事業」が行われている。これまでに1500人以上の方々が野宿からアパートへ入居している。その提供されるアパートの契約が、実は普通のアパート契約ではなくて、期間が限定された定期借家契約だった。しかし、入居者からは「そんなことは聞いていなかった」「説明が足りていなかったのでは?」という声があり、事業を使われた方々が原告となり、裁判を行っている。
この事業は、特定の公園で野宿していた方だけに、月額約3,000円の低家賃で2年間、都が借り上げた民間アパートなどの部屋を貸すという事業。野宿している方々は基本的に普通の住まいに暮らしたいという願いを持っている方が多いので、中には、入居後の先が見えないけれども、頑張ってみようと事業を使った方もいらっしゃった。けれども、後で戸叶さんからも報告があるかと思うが、追い出しとセットになる形で、公園や河川敷から出ていくか、この事業を使ってアパートに入るかという二者択一を強制的に迫られた方もいた。
普通の賃貸借契約では、更新が前提とされ、よほど借主に落ち度がなければ、契約期間が終了しても、契約を更新することができる。ところが、この「支援事業」の契約は、契約期間の2年間が過ぎると、更新はなく自動的に終了する「定期借家契約」だった。さらに、事業開始時には「更新もあり」という触れ込みで、あたかも普通借家契約であるかのような説明で、事業の利用を促すということが行われてしまっていた。
この間、この事業を使われた方々が、アパートに入った後にいろんな生活上の困難に直面した際に、問題を共有し合いながら乗り越えていこうという集まりを、継続して3年間ほど、月2回のペースでもってきた。その中で、実際に事業を使った利用者から、「2年で契約が終わる」という通知がきて、「どういうことなんだ」と戸惑ったり、不安に思って相談を持ちかけられたりといったことがあった。そういった事情で、提訴に踏み切らざるを得なかった。
これまでのところ、普通の契約に切り替えるといった形でなんとかアパートの生活を守りぬいている方もいらっしゃる。とはいえ、借りる側に不利な定期借家契約を、住宅を確保するのが一番大変な状況にある野宿している方々に対して、他に選びようがない形で押しつけるというやり方はおかしいんじゃないか、という意味もあり裁判をやっている。
しかも、一般の契約や民間の借家ではなくて、公的な住宅政策において、低所得な方、収入が全然ない方を対象にして、定期借家契約を持ち込むことが本当に正しいことなのか、ということに対して非常に疑問に思っている。
この事業の他に、住宅の確保に苦労している方々がおかれている状況においても、定期借家契約が普及しているという現状に対して、どのような形で変えていくことができるのか、どういう形で社会に訴えていくことができるのか、この場でも共有していきたい。
普段は、東京東部で、野宿している人、野宿から脱した方々の支援などに携わっている。今日は、「ホームレス地域生活移行支援事業裁判」を支える会として報告する。
2004年から東京の23区で、野宿されている方を対象として「ホームレス地域生活移行支援事業」が行われている。これまでに1500人以上の方々が野宿からアパートへ入居している。その提供されるアパートの契約が、実は普通のアパート契約ではなくて、期間が限定された定期借家契約だった。しかし、入居者からは「そんなことは聞いていなかった」「説明が足りていなかったのでは?」という声があり、事業を使われた方々が原告となり、裁判を行っている。
この事業は、特定の公園で野宿していた方だけに、月額約3,000円の低家賃で2年間、都が借り上げた民間アパートなどの部屋を貸すという事業。野宿している方々は基本的に普通の住まいに暮らしたいという願いを持っている方が多いので、中には、入居後の先が見えないけれども、頑張ってみようと事業を使った方もいらっしゃった。けれども、後で戸叶さんからも報告があるかと思うが、追い出しとセットになる形で、公園や河川敷から出ていくか、この事業を使ってアパートに入るかという二者択一を強制的に迫られた方もいた。
普通の賃貸借契約では、更新が前提とされ、よほど借主に落ち度がなければ、契約期間が終了しても、契約を更新することができる。ところが、この「支援事業」の契約は、契約期間の2年間が過ぎると、更新はなく自動的に終了する「定期借家契約」だった。さらに、事業開始時には「更新もあり」という触れ込みで、あたかも普通借家契約であるかのような説明で、事業の利用を促すということが行われてしまっていた。
この間、この事業を使われた方々が、アパートに入った後にいろんな生活上の困難に直面した際に、問題を共有し合いながら乗り越えていこうという集まりを、継続して3年間ほど、月2回のペースでもってきた。その中で、実際に事業を使った利用者から、「2年で契約が終わる」という通知がきて、「どういうことなんだ」と戸惑ったり、不安に思って相談を持ちかけられたりといったことがあった。そういった事情で、提訴に踏み切らざるを得なかった。
これまでのところ、普通の契約に切り替えるといった形でなんとかアパートの生活を守りぬいている方もいらっしゃる。とはいえ、借りる側に不利な定期借家契約を、住宅を確保するのが一番大変な状況にある野宿している方々に対して、他に選びようがない形で押しつけるというやり方はおかしいんじゃないか、という意味もあり裁判をやっている。
しかも、一般の契約や民間の借家ではなくて、公的な住宅政策において、低所得な方、収入が全然ない方を対象にして、定期借家契約を持ち込むことが本当に正しいことなのか、ということに対して非常に疑問に思っている。
この事業の他に、住宅の確保に苦労している方々がおかれている状況においても、定期借家契約が普及しているという現状に対して、どのような形で変えていくことができるのか、どういう形で社会に訴えていくことができるのか、この場でも共有していきたい。
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