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第2のセーフティネット、住宅手当について

世話人の一人、藤本です。

雇用保険と生活保護の間をつなぐ「新たなセーフティネット」(いわゆる「第2のセーフティネット」)が10月で出そろいました。これまでは、雇用保険が切れてしまうと、生活保護しかなかったわけですが、この制度によって、職業訓練を受けたり、住まいの補助を受けることができます。

全部で以下の7つの制度が動いています。

①就職安定資金融資
②訓練・生活支援給付
③長期失業者支援事業
④就職活動困難者支援事業
⑤住宅手当緊急特別措置事業
⑥生活福祉資金(総合支援資金)貸付
⑦臨時特例つなぎ資金貸付

第2のセーフティネット 第2のセーフティネット一覧


それぞれ複雑な制度となっており、すべてをしっかり理解するには大変そうですが、まずは住まいに関係する画像右上にある⑤住宅手当緊急特別措置事業の制度を見てみます。

実際に受給しようとする方のために、どこの窓口に、どのような書類を持っていけばいいのか、といった基本的なことを説明します。ただ、これはあくまで現時点(09年10月29日)で、行政窓口(中野区)やネットの自治体による告知で調査したことによるもので、まだ始まったばかりの制度ということもあり、流動的に変わっていく可能性があります。また、地方自治体によって若干運用に違いがあるかもしれません。
「自分が行った窓口ではこういわれた」「ここが実際の運用とは違っている」「実際に支給を受けたので情報提供したい」「要件を満たしているはずなのに、支給されなかった」といったご意見は大歓迎です。ぜひsumainohinkon@gmail.comまでお寄せください。

まず、支給要件は以下とされています。

【住宅手当の支給対象者】
支給申請時に以下の要件すべてに該当する方が対象。
1.2年以内に離職した方
2.離職前に、自らの労働より賃金を得て主として世帯の生計を維持していた方
3.就労能力及び常用就職の意欲があり、公共職業安定所への求職申込みを行う方
4.住宅を喪失している者または喪失するおそれのある方
(注釈)喪失するおそれのある方とは、5.および6.の要件に該当し、賃貸住宅等に入居している方
5.原則として収入のない方
(注釈)ただし、臨時的な収入やその他の一時的な収入がある場合または生計を一とする同居の親族の収入がある場合には、支給申請日の属する月におけるそれらの収入見込額の合計が次の金額以下であること
単身世帯 84,000円
複数世帯 172,000円
6.生計を一とする同居の親族の預貯金の合計が次の金額以下である方
単身世帯 500,000円
複数世帯 1,000,000円
7.国の住居喪失離職者等に対する雇用施策による貸付けまたは給付(就職安定資金融資、訓練・生活支援給付、就職活動困難者支援事業等)、地方自治体等が実施する類似の貸付または給付等を受けていない方


※ここで注意すべき点は、現行家賃が住宅扶助基準以上の場合でも、受給可能ということです。その場合は、不足分については自分の収入から支払うことになります。
※また、要件の一つとなっている預貯蓄は、生活保護申請のように、銀行などに調査をかけるといったことはしないそうです。
※厚労省に確認したところ、いったん開始された後の停止要件は、常用雇用されて、「8.4万円(単身者)+手当として支給されている額」以上の収入を得る、ということです。しかし、開始要件は上記5の通り、8.4万円以下の収入ということで、開始と停止の要件で相違があります。これは、厚労省が言うには、「せっかく手当てを支給を受けたのに、その後に生活が苦しくなるのを避けたい。手当の効果を上げるためにも停止に高めの基準を設けている」ということですが、住居の安定を考えるならばあくまで「生活費としての8.4万円」を基準として開始の要件とするべきではないでしょうか。たとえば、収入が9万円、家賃が5万円である場合には、要件に該当しないことで4万円で生活をやりくりすることを強いられ、さらなるじり貧に陥ることだって起こりえます。こんなことではセーフティネットとは言えないわけで、開始支給要件を早急に見直すべきではないでしょうか。

次に、支給までの流れを見てみます。

①最寄りのハローワークで求職申し込みをして、「求職申込み・雇用施策利用状況確認票」(画像参照)を記入。
他の雇用施策による貸付や給付が重なっているかどうかを確認するため。他の施策を受けていると、重ねて受給できないことになっています。
求職申込み・雇用施策利用状況確認票

②下記必要書類を持参し、自治体の福祉課窓口で「住宅手当支給申請書」(画像参照)に記入し、申請。
あくまで、申請の窓口はハロワではなく地方自治体(多くは福祉課)になります。
(①と②は順番が逆になっても構いません。)
(表)       (裏)
住宅手当支給申請書住宅手当支給申請書の裏

窓口に行く際には、以下の書類を持参してください。窓口が混み合っていてすぐに申請できない場合があるようなので、事前に電話連絡をしておくといいです。
【住宅手当申請時に必要な書類】
1.本人確認書類
運転免許証、住民基本台帳カード、パスポート、各種福祉手帳、健康保険証、住民票、住民登録証明書、戸籍謄本等のいずれか
2.離職関係書類
2年以内に離職した者であることが確認できる書類(離職票・給与振込の通帳等)
3.収入関係書類
本人及び生計を一にしている同居の親類のうち収入がある者について収入が確認できる書類(給与支給明細書・給与振込の通帳等)
4.預貯金関係書類
本人及び生計を一にしている同居の親類の金融期間の通帳等
5.入居確認書類
区内で入居していたことまたは入居していることが確認できる書類(賃貸借契約書または家賃領収帳等)
6.認め印
7.写真1枚
最近3か月以内に撮影の正面向き無帽のもの
(3.5㎝×4.0㎝)

③家主または管理会社に「入居住宅に関する状況通知書」(画像参照)を持っていき、記入させる。
入居物件(住所や家賃、入居日、振込先など)を確認するということ。住宅手当は事業者への口座振り込みによる支給となります。突然記入を求めても相手が制度を知らない場合も多いでしょうから、東京都がHPに出している「賃貸住宅の貸主様へ」といった案内をプリントアウトして持っていくと話が早いかもしれません。
入居住宅に関する状況通知書

④再度、福祉課に行って、記入済みの「求職申込み・雇用施策利用状況確認票」と「入居住宅に関する状況通知書」を提出。
決定後、「支給決定通知書」と「支給対象者証明書」が交付される。

⑤決定したことを家主または管理会社に連絡。

申請者の対応はここまで。

→その後、行政から家主または管理会社へ家賃の「請求書」と「口座振替依頼書」が送付され、家主または管理会社は記入してそれらを返送する。
→その請求書に合わせて行政から口座に振り込み。

※申請から支給までどれくらいの期間がかかるのか、と窓口で聞いたところ、10日くらいから2週間くらいかかるということでした。なので、割と手間と時間がかかる手続きなので、余裕を持って申請したほうがよさそうです。
※注意すべき誓約事項(申請書の裏面画像参照)としては、①毎月1回以上、ハローワークに行って、職業相談を受けること。②毎月2回以上、住宅・就労確保支援員等の面接等による就職活動の支援を受けること。というのがあります。②についてはハロワに行ったことの証明を書面で見せてほしいから面談にしているということのようです。
※支給期間が最長6ヶ月となっていますが、この制度はいまのところ、今年度限りつまり来年3月までになっています。それを理由として、来年4月以降は不明だから、たとえば来年1月に申請しても3月でいったん終了する、とされています。そんな理不尽なことがあっていいわけがないので、ぜひとも恒久化が必要です。

以上が、住宅手当の要件と支給までの大まかなところとなります。
詳細はやはり、自治体の窓口で問い合わせるなりするしかないのが現状ですが、ネットで見るなら豊島区のHPがわかりやすくできています。

それから都内であれば、東京都のHPで窓口等の案内が出ています。

住宅手当は先進国では当たり前ですが、これまで日本ではなかった施策であり、この制度が始まったことは、大きな一歩です。物ではなく人への扶助は、収入への家賃の負荷を軽減することとなり、住まいの貧困を解消するためにも非常に重要です。
現状の制度は暫定的、限定的なものとなっており、そうではなく、住宅手当制度の恒久化、支給要件の緩和が求められています。
それが実現するかどうかは、この制度を必要とするみなさんの切実な声と今後の運動次第です。そのためにも、ぜひ利用してこの制度が必要であるという一人一人の声を上げていきましょう。
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