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【10.19住まい分科会】戸舘圭之さん(弁護士、スマイルサービス被害対策弁護団事務局長)

戸舘圭之さん(弁護士、スマイルサービス被害対策弁護団事務局長)
 土田さんの話からもありましたが、10月8日にスマイルサービスに対し、損害賠償請求を起こしました。スマイルサービス被害対策弁護団の事務局長をしている。スマイルサービスの問題を含め、貧困層の居住利益を著しく侵害する事態が広がっていることをこの事件を通じて初めて知った。草間さんから報告があった東京都の3,000円アパート裁判でも代理人になっている。居住権に絡む問題として、新宿を相手にホームレス状態にある方が生活保護を求めて申請したのだが、稼働能力を活用していないとして却下された新宿区のホームレス生活保護申請に関する裁判でも弁護活動をしている。
 あと、第2種社会福祉事業施設であるさくらハウスで2008年1月に起きた殺人事件でも弁護人をしている。これは、1月1日、居住者の方が突然、寮長から退寮宣告を受け追い出され、やむを得ず寮長を刺してしまったという大変不幸な事件。
 第2種社会福祉事業施設は極めて劣悪な施設で、生活保護を受けている元は野宿者の方を受け入れている。さくらハウス事件はそういう社会的背景のある事件だと思っている。
 このように最近は特に、貧困層を対象にしたビジネスを含めて、様々な形で居住の利益が侵害されている。
 スマイルサービス事件では、いきなり鍵を交換され、ひどい場合には荷物を撤去される方やそのまま廃棄される方もいた。安心してプライバシーが確保されて、家に帰れば鍵を閉めてゆっくり眠ることができるという、ごく当たり前の利益が脅かされるという異常な事態をスマイルサービスは行っている。
 ただ単に1回だけ鍵を交換されたのではないかとか、荷物も返してもらったらいいのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれないが、一度自分が知らない間に鍵を交換され、知らない人間に立ち入られるということが、どれだけ住んでいる人に心に傷を残すことなのか。基本的には一人の部屋でプライバシーが守られている中で、安心して誰からも干渉されることのなく過ごせる部屋というのが、最低限の我々が生活していくための権利だと思う。そのような権利が一度でも侵害されたら、その住居には安心して住むことができない。常に家賃の滞納の恐怖、1日でも滞納したら鍵を交換されて数日間はネットカフェで暮らさざるを得ない。そのままネットカフェ暮らしを余儀なくされたり、野宿生活を余儀なくされる。そういうことを貧困ビジネスは行っていて、スマイルサービスの被害を知る中で、私自身法律家としてもなんとかしなければいけないと認識するようになりました。
 最近になって定期借家制度をスマイルサービスも利用し始めた。3,000円アパートでは東京都がだまし討ちのような形で導入している。3,000円アパートの案内のビラには「(更新もあります)」と明記されているにも関わらず、ふたを開けてみれば定期建物賃貸借契約だったという無茶苦茶なやり方をしている。
 それ以外にも別件の相談だが、気づいたら定期建物賃貸借契約を締結していたということがあった。自分としては普通にアパートを借りて更新もされるつもりだったが、契約書を見せてくださいと言ったら定期建物賃貸借契約と書いてあった。だけども、契約の段階では一切説明もなく、何も問題なければ住み続けられますよと言われていた。そこが定期借家契約の重要な落とし穴だが、更新は一切にないのだが、大家に気に入られるような借主であれば住み続けることができる。そうでなければ、正当事由もなしに再契約をすることは拒否される。そのような非常に恐ろしい契約であるにも関わらず、契約段階では一切説明がない。たいていの場合、契約書にそのようなことが書かれてあったとしても、私だってそうだが、なにも見ずに署名してハンコを押してしまうのが一般に契約だと思う。そういった弱い立場にある消費者や借主に対して、スマイルサービスも「契約書に書かれているのだからなにも文句言えないのでは?」「家賃を滞納しているお前が悪いんじゃないか」といういわゆる自己責任論で切って捨ててくる。そこには、どうして家賃が払えなくなってしまったのかとか、どういう働き方をして収入を得ているのか、追い出されてしまったら最低限保証されるべき居住の利益が奪われてしまうという事に対する配慮の視点が一切抜けている。
 そういう無理強いをしているのが定期建物賃貸借契約であり、鍵の一時使用契約というわけのわからん契約で鍵を勝手に交換したり荷物を撤去していたスマイルサービスなんだと思う。
 住まいの問題で反貧困の運動がつながっていけることを、私自身は非常に意義深いことだと考えている。
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