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3月21日(火) 院内集会 「住宅セーフティネット法改正案を考える」

3・21院内集会
「住宅セーフティネット法改正案を考える」


日時:2017年3月21日(火)12時30分~15時30分
会場:参議院議員会館・地下1階・B107会議室(地下鉄「永田町」駅すぐ)

〔趣旨〕


今国会に、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子ども育成する家庭などへの住宅確保をめざす「住宅セーフティネット法」(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)の一部改正案が提出され、衆参国土交通委員会などで審議されます。

私たち住宅関係諸団体は、これに先立ち2月末に全政党に対し、要請書を提出しました。
この中で、「法改正と新たな制度が住宅困窮各層の『住生活の安定の確保及び向上の促進(住生活基本法第1条)に真につながるよう、国会での充実した審議」を求め、具体的要請を行いました。これらの要請内容をふくめ、各党国会議員の方々と意見交換します。

〔プログラム〕

総合司会 林治 (弁護士・全国追い出し屋対策会議)
主催者あいさつ  稲葉剛 (住まいの貧困に取り組むネットワーク・世話人)

基調報告   坂庭国晴 (国民の住まいを守る全国連絡会・代表幹事)
記念講演   小田川華子(首都大学東京 子ども・若者貧困研究センター)

各党国会議員のあいさつ

若者(エキタス)、母子家庭(女性)、被災者(支援者)、高齢者(借家人)、
追い出し被害者(予定)、障がい者(予定)からの報告と発言  


〔開催団体〕 住まいの貧困に取り組むネットワーク、国民の住まいを守る全国連絡会、全国追い出し屋対策会議、生活弱者の住み続ける権利対策会議、

〔協賛〕 日本住宅会議(関東会議)

〔連絡先〕 NPO住まいの改善センター

℡03-3837-7611 fax03-6803-0755

【当日は12時から参議院議員会館1階ロビーで会議室への通行証を配布します】

住宅セーフティネット法改正案について各党に要請書を提出しました!

住まいの貧困に取り組むネットワークなど4団体は、2月3日に閣議決定された住宅セーフティネット法の改正案について、「低額所得者の負担軽減のための家賃低廉化が条文に明記されていない」(予算措置にとどまっている)等、不充分な点が多いと考え、2月24日、各政党に下記の要請書を提出しました。

各政党に対して、要請書の内容を検討し、私たちとの意見交換の場を持つことを求めています。

3月21日(火)には、下記のとおり、院内集会も開催します(詳細は後日)。

集会名: 「住宅セーフティネット法改正案を考える」
日時:2017年3月21日(火)12時30分~15時30分
場所:参議院議員会館 地下1階 B107会議室    
内容:国会議員各氏のあいさつ、基調報告、講演、当事者・各界からの報告・発言など


ぜひご注目をお願いいたします。

*****************************************

2017年2月24日
    
国民の住まいを守る全国連絡会
住まいの貧困に取り組むネットワーク
全国追い出し屋対策会議
生活弱者の住み続ける権利対策会議

 「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(住宅セーフティネット法)改正についての要請書 

国政での常日頃のご尽力、ご活動に敬意を表します。さて、開催中の通常国会で標記法律の一部を改正する法律案が審議されます。私たち住宅関係諸団体は、この法改正と新たな住宅セーフティネット制度が住宅困窮各層の「住生活の安定の確保及び向上の促進」(住生活基本法第1条)に真につながるよう、国会での十分な審議が行われ、下記要請内容が実現するよう、ここに要請書を提出するものです。何卒宜しくお願い申し上げます。  
 
           記

1.一部改正の前提となる重要事項について

今回の一部改正の前提となる重要な事項を次のように考えます。

(1) 「新たな住宅セーフティネット制度」のあり方について

政府の「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」は標記制度の「基本的な方向性」について、「新たな住宅セーフティネット制度は、公営住宅を補完するものとして、公営住宅の入居対象者も含め、多様な住宅確保要配慮者を対象とする」(2017年2月の最終とりまとめ)、としました。私たちは少なくともこの基本的方向性が貫かれ、全面的な実施が行われる「新たな制度」にする必要があると考えます。そのためには「多様な住宅確保要配慮者」の実情と住要求が明確にされ、十分反映された制度となるよう、衆参両院で時間をかけた充実した議論、審議が行われることを要請します。

(2) 本来の「住宅セーフティネット」である公営住宅、公的賃貸住宅の充実、強化について

前記のように新たな制度は「公営住宅を補完するもの」としていますが、あくまでも補完であり、本来の住宅セーフティネットの充実、強化が求められます。住宅セーフティネット法第5条は、「国及び地方公共団体は、所得の状況、心身の状況、世帯構成その他の住宅確保要配慮者の住宅の確保について配慮を必要とする事情を勘案し、既存の公共賃貸住宅の有効活用を図りつつ、公的賃貸住宅の適切な供給の促進に関し必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」としています。公営住宅をはじめとする公的賃貸住宅(UR賃貸住宅、公社賃貸住宅など)の供給施策の充実、強化を図るべきです。

2.一部改正についての意見と具体的要請事項について

「住宅セーフティネット法一部改正」についての私たちの意見と具体的要請事項は下記の通りです。これらの内容について国会審議等を通じて実現することを求めるものです。

(1)第一条(目的)に公営住宅の積極的供給、居住支援の推進を明記すべきです。

改正の第一条の冒頭の「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関し、」を「住宅確保要配慮者に対する公営住宅の積極的供給をはじめとした賃貸住宅の供給の促進」とし、合わせて、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する施策を」については、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進及び居住支援の推進に関する施策を」とすることを求めます。前段は前項(2)に対応したものであり、後段は、今回の改正で、第5章に居住支援法人、第6章に居住支援協議会が規定されていることからも必須と言えます。

(2)第二条(定義)に「生活保護受給者」、「ホームレス」、「若年低所得世帯」を明記すべきです。

第二条一項の「住宅確保要配慮者とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。」の各号に、標記を明記すべきです。生活保護受給者、ホームレスの人びとは、住宅確保要配慮者の中でも特に配慮を必要とする者です。2007年策定の国交大臣の基本方針でも具体的な者として明記されています。また単身者をはじめとした若年低所得世帯も特に配慮を要する者です。これらの世帯は公営住宅の裁量階層の収入基準を適用することが必要です。

(3)家賃低廉化(低額所得者の入居負担軽減のための支援)について条文で明記すべきです。

今回の新たな制度では「低額所得者の入居負担軽減のための支援措置」としての家賃低廉化(国上限2万円/月・戸、地方公共団体同)が実施予定です。この重要な施策についての条文がありません。制度の根幹として条文に明記し、継続した支援措置とすべきです。

(4)低額所得者の入居の優先を条文で整理、明記すべきです。

 「公営住宅を補完する」主旨からも、第4章の「円滑入居賃貸住宅事業」での「入居を受け入れることとする住宅確保要配慮者の範囲を定める」(第九条)等に関しては、第二条一項一号の「その収入が国土交通省令で定める金額を超えない者」(低額所得者)が優先して入居できるよう、条文の整理を行い、明記すべきです。

(5)「公的賃貸住宅の供給の促進」を義務化する改正を求めます。

前記1(2)の「公的賃貸住宅の供給の促進」(現行法第五条)の「国及び地方公共団体は、・・・努めなければならない。」を「国及び地方公共団体は、・・・施策を講ずる。」とすべきです。なお、この条項は現行の第五条から今回の改正で第五三条に大きく移され、後退した感があります。改正での第七章を第四章とすることを合わせて求めます。

3.法案審議に関係しての重要事項について

今回の法案審議に関係し、下記の事項を取り上げて頂くことを要請します。

(1) 家賃の水準と適正家賃負担について

今回の改正案の第十条一項四号では、「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の家賃その他賃貸の条件が、国土交通省令で定める基準に従い適正に定められるものであること。」としています。この住宅の家賃の水準について明らかにすると共に、国民が居住する賃貸住宅の適正家賃とその負担率について審議を通じて明確にすることを求めます。

(2) 「登録住宅」の登録戸数の目標とその根拠について

一部改正の国交省説明資料では、登録住宅の登録戸数の目標(KPI)を「17.5万戸(年間5万戸相当)2020年度末」としています。この目標の根拠とともに、「公営住宅を補完するものとして、公営住宅の入居対象者」が入居できる「登録住宅」の目標戸数を明らかにすべきです。この戸数が明確にならなければ、公営住宅を補完するものとは言えないと考えます。

(3) 家賃債務保証のあり方と「追い出し屋規制法」の制定について

新たな制度は、「要配慮者専用住宅に低額所得者が入居する場合」、家賃債務保証料の低廉化に対する補助を行う(国費上限3万円/戸)、となっています。この補助を行う場合、入居者への連帯保証人は必要としないことを明確にすべきです。
本来、新たな制度は家賃債務保証の利用に頼らない制度設計が必要であり、国と自治体、居住支援協議会などによる公的保証制度の実現が求められます。そして、保証料の補助を行うことと関連し、「追い出し屋規制法」(2010年国会提出、参議院で全会一致可決、その後継続審議となったが廃案)の制定を行って下さい。なお、家賃債務保証等に関連し、公営住宅を含む賃貸住宅の連帯保証の問題について検討し、連帯保証人を必要としない法的、社会的仕組みの実現をめざすべきです。

(4) 賃貸住宅管理業者およびシェアハウス運営業者に対する法的規制について

今回の新たな制度では、住宅の管理について賃貸住宅管理業者が関与することが考えられ、また、主に若者単身用のシェアハウスも対象住宅となり、管理・運営業者が関与することになります。これらの業者には任意の登録制などがありますが、入居者、賃借人の必要な権利等を担保し、保障するためには、両業者に対する業法が必要です。現状では、家賃の不当な取り立て行為、追い出し行為、正当事由のない解約申し入れ等々、さまざまな被害が少なくありません。また、違法なシェアハウスに該当する「違法貸しルーム」は国交省調査で1,400件以上(16年10月)にのぼり、是正している物件は1割強に過ぎません。このような現状からも両業者に対する業法(登録の義務付け、不当行為の禁止等の業務規制)の制定などの法的規制が求められます。

(5) 地方公共団体の住宅部局、福祉部局の抜本的な強化・拡充と連携について

一部改正案に示されているように、「都道府県及び市町村賃貸住宅供給促進計画」の作成とその実施、「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅事業」等々、地方公共団体の関与と実務はきわめて重要な位置を占めています。これらの実施と推進のためには、都道府県、市区町村の担当部局の体制強化、予算措置の拡大などが必要です。地方公共団体の住宅部局と福祉部局の抜本的強化、それに基づく連携の強化も必要です。国はこのための支援と補助を十分行うべきです。

(6) 民間賃貸住宅の大量空き家問題と政策の策定について

「我が国の民間賃貸住宅は、住宅ストック全体の約3割(1,343万戸)を占めており、その市場整備は、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進のためにも極めて重要」(2010年1月・住宅宅地分科会・民間賃貸住宅部会「最終とりまとめ」)としています。一方で、「賃貸用の住宅」の空き家は430万戸にものぼり、供給過剰の状況が一貫して続いています。
今回の法改正と制度は民間賃貸住宅を主体としたもので、この国会審議を機会に、なぜこうした大量の空き家が生まれるのかを検証し、その是正策を含む民間賃貸住宅政策の策定と確立を求めます。

(7) 国土交通大臣の基本方針と国土交通省令について

現行法での唯一の義務化は、第4条の「国土交通大臣は、・・・基本的な方針を定めなければならない」としている規定です。この「基本方針」は2007年に策定されて以来、変更されないまま、また十分な検証のないまま、今日に至っています。今回の国会審議にあたっては、この国交大臣の基本方針についても論議され、新たな基本方針を国交大臣は国会に提出すべきです。また、今回の一部改正での各条項の具体的な規定は「国土交通省令で定める」としています。改正案の審議では必要な省令の内容が明らかにされ、具体的な議論が行われることが求められます。

以 上




12月のアウトリーチのお知らせ(12日、26日)と今後について

 住まいの貧困に取り組むネットワークの呼びかけで行なっているアウトリーチ活動(住まいを失った方々への声かけ・情報提供)では、ふだん支援団体が活動していない地域を中心にまわっています。
 原則、毎月第2・第4月曜日の夜に実施しています。

 11月は、14日(月)夜と、28日(月)夜の2回実施しました。

 11月14日(月)は、江戸川橋駅から東池袋駅まで首都高沿いを歩きました。計20人の方にアプローチできました。
 
 11月28日(月)は、赤羽橋駅を出発して、芝公園を経由し、新橋駅まで歩きました。人数は減少していて、アプローチできたのは5人だけでした。

 12月のアウトリーチ活動は下記の日程でおこないます。
 
 事前連絡は不要です。ふるってご参加ください。

【日時】

 12月12日(月)18時半集合、19時出発

 12月26日(月)18時半集合、19時出発

【集合場所】東京都新宿区新小川町7-7 NKBアゼリアビル 202号室

 地図 http://www.npomoyai.or.jp/azeriamap

 打ち合わせをおこなった後に出発します。
 歩きやすい靴でお越しください。

 行き先は当日話し合って決めます。なお、移動の交通費はすべて自己負担になります。ご了承ください。

【呼びかけ】住まいの貧困に取り組むネットワーク
連絡先: 〒162-0814 新宿区新小川町8-20 こもれび荘もやい気付
E-mail: sumainohinkon@gmail.com

※今後について

 2013年2月より、月2回、有志によるアウトリーチ(夜回り)を実施してきましたが、今年12月26日をもって、この形での夜回りは終了とさせていただきます。
 これまでのご協力に感謝いたします。

 都内の路上生活者の状況が変化してきていることも踏まえ、2017年春から新たな形でのアウトリーチを始めたいと考えています。詳細が決まりましたら、稲葉剛公式サイトなどで、呼びかけをさせていただきますので、よろしくお願いします。
 

11月のアウトリーチ活動のお知らせ(14日、28日)

住まいの貧困に取り組むネットワークの呼びかけで行なっているアウトリーチ活動(住まいを失った方々への声かけ・情報提供)では、ふだん支援団体が活動していない地域を中心にまわっています。
 原則、毎月第2・第4月曜日の夜に実施しています。

 10月は、10日(月)夜と、24日(月)夜の2回実施しました。

 10月10日(月)は、赤羽橋駅を出発し、芝公園周辺を経由して、新橋駅まで歩きました。追い出しの影響か、野宿をしている人数は減っていて、アプローチできたのは計8人でした。
 
 10月24日(月)は、まず飯田橋駅~市ヶ谷駅を歩き、その後、電車で移動して、中野駅周辺をまわりました。前半で6人、後半で10人の計16人の方にアプローチできました。

 11月のアウトリーチ活動は下記の日程でおこないます。
 
 事前連絡は不要です。ふるってご参加ください。

【日時】

 11月14日(月)18時半集合、19時出発

 11月28日(月)18時半集合、19時出発

【集合場所】 東京都新宿区新小川町7-7 NKBアゼリアビル 202号室

 地図 http://www.npomoyai.or.jp/azeriamap

 打ち合わせをおこなった後に出発します。
 歩きやすい靴でお越しください。

 行き先は当日話し合って決めます。なお、移動の交通費はすべて自己負担になります。ご了承ください。
 
【呼びかけ】住まいの貧困に取り組むネットワーク
連絡先: 〒162-0814 新宿区新小川町8-20 こもれび荘もやい気付
E-mail: sumainohinkon@gmail.com

全国追い出し屋対策会議・生活弱者の住み続ける権利対策会議の要請書


10月26日、住宅問題に取り組む法律家らでつくる「全国追い出し屋対策会議」と「生活弱者の住み続ける権利対策会議」の2団体が国土交通省に提出した要請書を以下に掲載します。

**************************

2016年10月26日

国土交通省住宅局安心居住推進課御中

要請書

全国追い出し屋対策会議 代表幹事増田尚
生活弱者の住み続ける権利対策会議 代表田中祥晃

●要請の趣旨

1 新たなセーフティネット住宅を公営住宅を補完するものとして位置付けるとしても、住宅政策において、公的な責任を明らかにして、これを果たす諸施策を盛り込んでください。

2 セーフティネット住宅にあっては家賃債務保証の利用に頼らない制度設計が必要であり、これを利用する場合であっても、家賃債務保証業に対する必要な法規制を実施することを前提としてください。

3 セーフティネット住宅において管理を事業者に委託する場合には、賃貸住宅管理業登録制度の法制化をするなどの事業の適正を確保する措置を講じることによって、賃借人の権利を保障してください。

4 家賃補助については、住宅確保の必要性に応じて、支給される制度としてください。

5 居住支援協議会等による居住支援については、地方公共団体の果たすべき役割を明確にするとともに、居住支援NPOを参加させるなど、実効性ある支援ができるよう体制を整備してください。

●要請の理由

1 当団体らについて

全国追い出し屋対策会議は、賃貸住宅管理業者などの賃貸住宅事業者による賃貸人に対する不当な家賃の取立てや、賃貸住宅の使用を阻害する「追い出し」行為について、賃借人の権利を擁護する活動に取り組んでいる団体です。

生活弱者の住み続ける権利対策会議は、昨年4月に設立され、賃貸住宅事業者による正当事由のない解約申入れ(更新拒絶)など立退をめぐる問題(「ブラック家主」問題)について、賃借人の権利を擁護する活動に取り組んでいる団体です。

2 新たな住宅セーフティネット検討小委員会の「中間とりまとめ」

国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会の住宅宅地分科会に設置された「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」では、住宅確保要配慮者の居住の安定の確保のため、空き家の活用促進や民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築を含めた住宅セーフティネットの強化について検討を進め、7月に、「中間とりまとめ」を策定し、施策の方向性を打ち出しました。

全国的には、約820万戸の空き家があり、うち429万戸が賃貸用住宅です。他方で、高齢者、子育て世帯、障害者、外国人、低額所得者等の住宅確保要配慮者に対して住宅を供給し、居住の安定を確保するために、いわゆる住宅セーフティネット法が制定され、住まいの権利を保障することが重大な政策課題となっています。こうした住宅における需給のミスマッチを解消するために、その原因を探求し、それに対応した措置を講ずることが求められています。

ここ数年においても、ネットカフェ難民、派遣切り、ゼロゼロ物件、追い出し屋、囲い屋、脱法ハウス(違法貸しルーム)、無届介護ハウスなど、住宅確保要配慮者の住まいをめぐって、様々な「貧困ビジネス」が社会問題となってきました。「住まいは商売道具」とばかりに、住居を必要とする窮状に付け込み、自らの利益を最大限に追及する事業者による被害が多発したのは、賃貸住宅をめぐる事業者について何らの法規制がなされなかったことが最大の要因です。これらの事業者に対し必要な規制を行うことにより、居住の権利を保障することが求められています。

新たなセーフティネット住宅の制度を設計する上では、何よりもまず、「住まいは人権」への政策転換を図ることが不可欠です。

3 セーフティネット住宅の位置付け

「中間とりまとめ」では、新たな住宅セーフティネット制度を「公営住宅を補完するもの」と位置付けています。

確かに、日本の賃貸住宅戸数に占める公共部門(公営住宅・公共住宅)の割合は著しく少なく、民間賃貸住宅を活用しなければ、十分な住宅の供給はできません。また、民間賃貸住宅における空き家を活用する必要性も理解できます。しかし、居住の権利の保障を民間事業者に任せてきたからこそ、住宅の確保が困難な者が生み出されてきたのではないでしょうか。

そうであれば、新たな住宅セーフティネット制度を「公営住宅を補完するもの」と位置付けるとしても、公的な責任をどう果たすのかが問われるべきです。

そこで、後述するような制度設計の具体化によって、住宅確保要配慮者に対する住宅の供給における国及び地方公共団体などの公共部門の役割を明らかにする必要があります。

また、民間賃貸住宅を活用しつつ、住宅セーフティネットにおける公営住宅の役割を減殺するべきではありません。中間とりまとめは、公営住宅のほか、借上公営住宅、地域優良賃貸住宅、住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業などの準公的賃貸住宅について、地方公共団体の財政負担や、住宅確保要配慮者の入居に対する民間事業者の不安などを指摘し、今後の供給増が見込めないとしています。

しかし、公営住宅は、住宅セーフティネットの基盤であり、これを「底抜け」にすることは、住宅セーフティネット全体を揺るがすものといわざるを得ません。公営住宅の供給増など住宅セーフティネットの重層化が求められます。

4 セーフティネット住宅における家賃債務保証の利用のあり方と家賃債務保証業者の事業の適正を確保するための施策

中間とりまとめは、セーフティネット住宅のあり方について、住宅確保要配慮者の入居を拒まないことを要件としつつ、賃貸事業者の家賃未収等の懸念に対応するため、家賃債務保証を利用することを提唱しています。

しかしながら、家賃債務保証業については、賃借人の生活の平穏や居住の権利を侵害するような苛烈な取立て・追い出し行為による被害が見られたことから、登録制を義務付け、不当な取立行為を禁止する等の法案が提出されたことからも明らかなとおり、住宅確保配慮者の居住権を脅かす被害が発生していました。被害相談件数は依然として多く、今日もなお、規制すべき必要性は変わりありません。必要最小限の法的規制もないままに、家賃債務保証業者をセーフティネット住宅に組み入れることは、かえって住宅確保要配慮者の居住の安定の確保を妨げることにもなりかねません。

そこで、セーフティネット住宅においては、家賃債務保証業者の利用は抑制的であるべきであり、後述する家賃補助や、公的保証制度の拡充などの代替手段を検討すべきです。また、少なくとも、家賃債務保証業者につき次のような規制をする業法を制定することなしに、セーフティネット住宅に家賃債務保証業者を利用すべきではありません。

① 義務的登録制
② 家賃保証委託契約の実体面での規制(不当条項の規制)
③ 不当な取立行為の禁止

人を威迫し、又は、私生活・業務の平穏を害するような家賃等の取立てを禁止し、これに違反した家賃債務保証業者に対しては、登録取消等の行政処分を行うことができるようにすることはもちろん、刑事罰を科すことも検討すべきです。

具体的には、深夜・早朝の督促禁止(福岡地裁平成21年12月3日判決・消費者法ニュース83号65頁)、勤務先等への連絡の禁止、貼り紙の禁止(大阪地裁平成22年5月28日判決・判時2089号112頁)、第三者に対する弁済要求の禁止など,貸金業法と同様の取立行為の規制を設けることや、鍵を交換するなどして賃借人の使用を阻害したり、賃借人の私物を搬出・処分する行為などを禁止すべきです。

関連して、家賃滞納情報等提供事業(家賃滞納データベース)についても、賃貸事業者の家賃の不払に対する不安を軽減するために導入されて、その結果、入居選別がなされており、住宅確保要配慮者への住宅の確保を困難にし、居住の権利を損なっている状況に鑑み、禁止等の必要な法的規制を導入すべきです。

5 セーフティネット住宅における管理を委託する場合における賃貸住宅管理業者の事業の適正を確保するための施策

中間とりまとめでは、セーフティネット住宅の「管理を事業者に委託する場合には、一定の能力等を備えた適正な事業者による管理を要件とすること」を提唱しています。

賃貸住宅管理業者については、現在、告示による登録制度が実施されていますが、任意の登録制度であり、かつ、賃借人の権利を保障するための施策は不十分です。賃貸住宅管理業者による不当な取立行為や「追い出し」行為、正当事由のない解約申入れなど、賃借人の権利を脅かす被害も少なくありません。

そこで、この際、賃貸住宅管理業者に対する業法(登録の義務付け、不当な取立行為の禁止等の業務規制)を制定することなど、必要な法規制をすることを求めます。

6 家賃補助など

中間とりまとめは、「地域の住宅政策において特に配慮が必要な住宅確保要配慮者が入居するセーフティネット住宅については、財政状況にも留意しつつ、低廉な家賃等とするための持続可能な支援を行うこと」を示しています。セーフティネット住宅において家賃補助等の措置を検討することは評価できますが、他方で、家賃補助の対象となる住宅確保要配慮者について、「特に配慮が必要な」との限定を付した上、「財政状況にも留意」することとしている点は、問題であると考えます。

住宅確保要配慮者とは、「低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者」であり(住宅セーフティネット法1条)、その定義において既に「特に配慮を要する」ことがうたわれています。これに加えて、「特に配慮が必要な」との限定を加えることは、重複するものであって無意味というべきですし、家賃補助の要件として何らかの限定を加えるものであるとすれば、住宅セーフティネットの趣旨を損なうものといわざるを得ません。

また、財政状況にも留意することを強調すれば、その分、住宅確保要配慮者の住宅ニーズが満たされないことになるのであり、本末転倒というべきです。

そこで、家賃補助の制度設計に際しては、住宅確保要配慮者の必要を十分に調査した上で、これに応じた補助がなされることを求めます。

7 居住支援協議会等による居住支援の強化

中間とりまとめが居住支援協議会による居住支援の強化を打ち出したことは歓迎しますが、具体策があまり明らかでありません。
居住支援協議会は、各都道府県には設置されたものの、市町村レベルではあまり多くなく、各市町村でも設置できるよう、国は必要な予算措置を講じるべきです。

また、先進的なとりくみに学び、居住支援協議会のメンバーに居住支援を行っている民間NPOを参加させるなど、実効性のある居住支援ができる体制を整備することが求められます。

草々



Appendix

プロフィール

housingpoor

Author:housingpoor
住まいの貧困に取り組む個人からなるネットワークです。
賃貸トラブルや生活相談にも応じます。
月に1度程度、都内で会議を開いています。
参加したいというご要望や、賃貸トラブルについてのご相談は
sumainohinkon@gmail.com
までよろしくお願いいたします。

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